『事前診断』により30代の顧客からも高額受注を実現 棟晶【北海道札幌市】 PDF 印刷 Eメール
掲載号: 992号(9/6)7面   

『事前診断』により30代の顧客からも高額受注を実現 棟晶【北海道札幌市】

棟晶 早坂晶秀社長

「家は一つの家電、だから性能がわからないといけない」 

札幌の棟晶は「ドイツパッシブハウス研究所」による国内初のリフォーム認定取得に取り組んでいる。そのためには冷暖房負荷25kWh/㎡・aなどという世界的にみてトップレベルの省エネ基準をクリアしなくてはならず、ハードルは高い。最高水準の省エネリフォームに取り組む早坂晶秀社長に話を聞いた。


--—リフォームでパッシブハウスの認定を取るとなると、新築と比較し困難も多いと思います。どのあたりが一番難しい点ですか。

早坂  暖房負荷の数値です。床面積に対して外壁の面積が大きすぎたため数値をクリアすることが大変でした。そこで、下屋だった2階の1部をうちの費用で増築し、床面積を増やしました。また、開口部を広げ日射取得を増大させました。


--—価格はいくらぐらいになりそうでしょうか。

早坂  私どもで負担した所もありますが、今回の住宅は太陽光などの設備も全部いれて実行予算で坪35万円くらいです。あと坪5万円足すと一般的な新築住宅ができる金額です。


--—今までパッシブハウスとして認定を受けたものは新築ではありますが坪70~80万円程です。それと比較すると安いですね。

早坂  サッシを国産のトリプルガラスにした点が大きいです。海外性のサッシですと性能は良いですが300万円も400万円もして実際売るのが難しい金額になります。


--—ところでパッシブハウスの新築とリフォームの基準はどこが違うのですか。

早坂  冷暖房負荷の数値です。新築は25kWh/㎡・aですが、リフォームは15kWh/㎡・aなので少し基準がゆるいのです。それで国産のサッシでも認定がとれると考えました。


--—消費者に訴求するために将来的にはこのパッシブのリフォームをいくらぐらいで提供したい考えですか。

早坂 今フルリフォームの単価が増改築費用と暖房機器なども全部入れて坪35~37万円くらいです。太陽光も含めてそのくらいの費用でやりたいです。ちょっと厳しいのですけどね。坪40万円にはならないと思います。


--—ただ、全国的にみると断熱リフォームは金額もかかりますし、施工数はそれほど増えていません。どのように普及をさせていく考えですか。

早坂  お客さんの一番の要望というのは住んでいる家が寒いということです。それを何とかしたい。うちの商売の強みというのはリフォームをやる前とやった後、すべての住宅性能を数値化することです。通常のリフォームでも今の性能はこうですと数値で見せてあげる。エネルギーの消費量も全部出ますから、理論的に提案ができます。


--—ただ、お客さんはQ値、C値といった数字は理解しにくいのではないですか。

早坂  でも専門的な話をしながら理解してもらうようしています。家自体が1つの大きな家電製品みたいものとイメージしてもらうのです。家電ですからエネルギーの消費量、日射取得とか風の流れ、遮蔽だとかもわからないといけません。今度はこの大きな家電に電気自動車が加わります。あと10年したら太陽光で発電した電気で車を充電するようないわゆる循環型の家が当たり前になります。今1000万円かけても10年後まったく使い物にならない家になるのか、10年後に何かをプラスすればいいだけの足し算できる家なのかどちらを選ぶかです。


—--足し算のできる家とはどんなものでしょう。

早坂 たとえば今うちでフルリフォームするお客さんには太陽光を載せられるように標準で屋根の形状を変えています。もちろん今太陽光を載せませんというのはお客さんの自由ですが、将来国がもし載せなさいといっても対応できるようにするためです。相手を納得させるために国交省のロードマップを見せてあげて、家はこういう風に進んでいますと、世界的な流れですと根拠を説明します。


--—売上のうちどのくらいフルリフォームがあるのですか。

早坂 キッチンや水廻り交換もありますが8割がフルリフォームです。年間の棟数は20棟くらい、単価は大体1300~1500万円です。


--—かなり高額ですね。依頼者はみなさん富裕層ですか。

早坂  いや富裕層ではないです。リタイアされた方とか、30代で中古を買ってリフォームされる方などです。太陽光を入れるとマックスで1500万円くらいの予算に対し補助金を絡めて提案をしています。


--—中古を買ってのフルリフォームする方ですといくらぐらいの住宅を購入してリフォームするのですか。

早坂  大体35~40坪で700万~1500万円くらいです。


--—そうなるとリフォームと住宅の購入費用を含めて最低2000万円くらいになるわけですね。

早坂 そうなんです。中古住宅を購入してリフォームする方は総費用を2000万円から2500万円くらいでおさめたいですから。


--—ただ、そうするとリフォーム費用が購入費用を上回りますよね。そこまで費用をかける人がいるのですか。

早坂  お客さんのなかにも知識豊富で高齢能なリフォームを望む方が増えてきました。どういう工事をするのだと問い詰めてきますから。あるお客さんなど「Q値をこのくらいにしたい」と言ってきました。リフォームしようとして3年ぐらい研究して、そこあたりの営業マンより詳しくなって、どこにいっても話しにならなかったようです。

—PR方法はどうのようにやっているのですか。

早坂 ホームページですね。チラシは行いません。


--—それですとやはり若い方が多いのですか。

早坂  若い人だけじゃなく60歳くらいの高齢の方も多いです。そのくらいの方は省エネとか蓄電とか熱心ですよ。3割くらいはそうした高齢の方です。あとは30代が多い、ホームページから来た人はほとんどきまります。


--—こらからは事前診断を行うリフォームが増えていくでしょうか。

早坂  そうですね。CASBEEなどで事前診断をすればどのようなリフォームをすればいいかの数字で出てきますから提案が簡単なんですよ。そして今後は電気自動車の普及が進みますから蓄電装置が必要です。通常蓄電装置は1kWhあたり50万円くらいですがうちは8kWhの蓄電設備を50万円で提供したいと考えています。


--—えっ、8kWhで50万円ですか。メーカー品だとそんな商品はないですよね。

早坂  だからトラック用のバッテリーを使うのです。8kWhあれば、日中の冷暖房は動きます。日中使う電気は深夜電力の1kWh8円で蓄電する。昼間の電気はこれで賄うわけです。そうすると蓄電設備のコストも4年で回収可能です。秋くらいに実現できると思います。


≪会社概要≫

【社名】 棟晶

【本社】 北海道札幌市

【設立】 平成17年

【代表者】 早坂晶秀

【社員数】 6名

【年商】 2億4000万円



▲パッシブハウスリフォーム認定のための住宅性能測定結果

棟晶

 
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