セカイエ(リノコ) 髙間舘紘平 社長
5.7億円の赤字、実態マイナスはごくわずか
ゲーム企業のグリー(東京都港区)がリフォーム分野から撤退する。この3月、そんなニュースが全国を駆け巡った。子会社だったリフォーム通販企業のセカイエ(大阪府大阪市)を、コンサルティング会社のQ(東京都港区)へ売却。これによって、セカイエとグリーとの関係は解消した。リフォーム事業に参入してわずか2年、なぜグリーはセカイエを手放すことになったのか。セカイエの髙間舘紘平社長に聞いた。
株式譲渡した理由
――セカイエが株式譲渡されることになった経緯を教えてください。
セカイエは2014年にグリーの傘下に入り、リフォームのネット通販「リノコ」で大きく売上を伸ばしてきました。ですが、今回、グリーが得意とするゲームや広告などの分野に注力するため事業の見直しを実施。その結果、リフォームをはじめ、既存分野以外の事業から撤退することになりました。
――「選択と集中」によってセカイエはグリーから離れることになったわけですね。ただ、売上高は前年比2倍強の約16億円と大幅増収だったはず。それなのに純利益が5億7000万円の赤字だったのは。
グリーの傘下となり、赤字を出しても先行投資していく方針で広告費や人件費等に積極投資してきました。特に、プラットフォームとしてのシステムやビジネスの構築にグリーから多数の人員を投入してもらい進めてきましたが、それらはグリーとの内部取引になっていて、その金額は今回離れるにあたって債務免除されたため無くなっています。 実際に4月以降は費用が大幅に減っていますので、事業の実態としては黒字化手前、それもプラットフォーム構築段階で一時的に開発リソースが必要だからです。
グリーとしても、リフォーム事業に将来性がないと見ていたわけではないでしょうが、事業を選択集中するという方向性の中で離れることになったのが実態です。
「定額コミコミ価格」「日本どこでも対応」などを特長に事業を拡大
実質の赤字は月数百万円
――経営の中味は決して悪くなかったというわけですね。

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