カリフォルニア工務店 岩切剣一郎氏
今、住宅業界の注目プレーヤーは誰かと聞かれて、「カリフォルニア工務店」と答える人は少なくないだろう。枻(えい)出版社(東京都世田谷区)の建築部門であるカリフォルニア工務店は、2012年に誕生。以来、ユニークな名前とアメリカ西海岸を意識した住宅デザインで、全国にファンを拡大させてきた。この設計士集団を率いる岩切剣一郎氏に、その来歴と家づくりに対する思いを聞いた。
現場監督と設計の激務を経験
――まず岩切さんが住宅の道に進まれたきっかけを教えてください。
ガキの頃から工作とか美術とか、ものづくりが好きだったんですよ。それで工業高校に入って製図が得意だったから、じゃあ建築にしようと。その後、上京して、神奈川県座間市のゼネコンに就職しました。バイクとかサーフィンが好きで、海の近く、湘南に行きたいというのもあったので。
――最初は住宅関係ではないんですね。
現場で設計をやりたかったんです。設計で入ったのに、ずっと現場監督だったんですけどね。
その後2級建築士の資格を取って、城南建設の下請けをやっている設計会社に就職しました。当時城南が伸びていて、月に40棟のペースで住宅の設計をやってました。毎日確認申請で市役所に通うような生活でしたけど、地区計画や法律関係とか、これもすごい勉強になりましたね。
その後、城南建設の設計部で1年ほど働いて、辞めてから一発で一級建築士の資格を取りました。
――一発合格とは素晴らしい!
冬のボーナスを頼りに、山にこもって勉強してました。冬は各地でスノーボードで遊びながら。その次に入ったのは店舗と住宅設計をやる会社。僕にとっては、この会社での経験も衝撃的でした。
築40年以上の戸建てをビーチハウス風に改修

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