放置されている空家を100円で管理します―――。こんなユニークなサービスを提供しているのがNPO空家・空地管理センター(埼玉県所沢市)だ。昨年6月にスタートし、現在50戸弱を管理。相談件数が増えてきているという。
放置される空き家を減らすサービス
同センターが提供する「月額100円管理」サービスは、現状住まい手がいない空家を管理するというもの。価格は月額100円。サービス内容は、センタースタッフによる建物の外観の目視。建物や敷地を写真で数点撮影し、報告書を所有者にメールする。さらに近隣などからのクレームがあった場合、同センターが一次対応をする。管理物件にはセンターが管理していることを示す看板を設置。オプションサービスでポスト内の清掃や、郵便物の転送などもある。
ターゲットは主に所沢市内の高齢者。市内には介護施設などに入所し、従来住んでいた家が空家になっているものが少なくない。また従来の所有者から相続を受けたものの、住む予定がなかったり、将来的には家の取り壊しを考えたりしている人も対象だ。利用者の依頼理由で多いのが、今は別の場所に住んでいて自分が家を見に行くことができないということ。誰かに定期的に見ていてほしいという希望が多い。
さらにサービス内容が充実した「しっかり管理」もある。カギを預かって建物内に入り、通気・換気、雨漏り点検、通水などを行う。価格は月額4000円。また、土地・建物を駐車場や賃貸、売却などする場合も相談に乗る。
「空家トラブルが増えてきています。意外と多いのが、空家の樹木が伸びて隣の家に越境してしまうこと。雨どいが壊れて、隣の家に水が入ってしまうというようなこともあります。このようなストレスがあっても、空家の所有者が誰だか分からないので相談もできない。少しでもトラブルをなくしていけるように管理サービスを提供していきたい」(上田真一事務局長)

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
2025/06/20掲載
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1652号(2025/06/09発行)4面