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有識者に聞く、いまこそ"DIYリノベーション元年"!

有識者に聞く、いまこそ"DIYリノベーション元年"!

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業界の有識者が語る≪テーマ : 新しいニーズに応える販売戦略が重要≫
~ いまこそ"DIYリノベーション元年"! ~

ダイナシティコーポレーション 山田芳照社長◆今週のゲストコラムニスト◆
ダイナシティコーポレーション 山田芳照社長
≪Profile≫ DIY情報サイト「DIYCITY」の主宰のほか、動画サイト「diyhaw.jp」、週末職人工房、DIYプロダクションなど数多くのDIYコンテンツを手掛ける。また、女子たちによるDIY女子部を発足させるなど、業界活性化に向けた意欲的な活動を続ける。

女子の関心増える

 長らく、DIYといえば「日曜大工」を連想させる、男性的なイメージが支配的でした。ですが近年、ものづくりに関心を持つ女性が増え、DIY文化が男性のものばかりではなくなったと感じます。4年前に私が立ち上げたDIY女子も、度々メディアに取り上げられ、着実に規模を拡大してきました。

 1年ほど前から、URなど、複数の賃貸住宅業者がセルフリノベ可能な物件の扱いを始めています。背景には、先ほど紹介した女子DIYブームに加えて、住環境を好みにアレンジしたいニーズの増加があると思われます。この傾向は、若い世代に特に顕著です。いまや、女性や若者にとってDIYはインテリアやファッションと同列に考える身近なテーマになったといえるでしょう。

 ホームセンターの売り場をのぞいても、やはり同じ傾向がうかがえます。コンパクトでカラフルなハンドツールや、シンプルな見た目で低価格な電動工具など、女性やライトユーザー向けの商品開発が盛んに行われています。ですが、その実態は必ずしも消費者に望ましいものとはいえません。市場には、安価ではあるが性能面で問題のある工具も数多く出回っています。

 DIYビギナーがリノベーションを成功させるには、実用性重視の工具や建材を正しく選び取ることが何より大切。確かな性能の商品を購入できる売り場作りが必要です。

技能・知能習得がカギ

 さらに現状では、DIYリノベーションを行う際に必要とされる技能・知識を習得できる場所と機会が圧倒的に不足しています。壁紙の貼り方、塗料の塗り方、木工作業の基本テクニックなど......、リノベーション作業には多能工に求められるのと同様の幅広い能力が必要です。しかし実際は、これらの潜在的ニーズに対して環境整備が十分ではありません。

 先ごろ、女性向けにワークショップを開催したり、作業スペースを提供したりする体験型ショップが次々と開店しています。今後、DIYを後押しするこうした動きが活発になることを強く期待しています。私自身、今年の1月にタレントの大桃美代子さんを中心としたDIYプロジェクトを発足しました。ネット上でハウツー動画を公開する、企業と共同でDIY商品を開発する、各種ワークショップを開催するなど、さまざまな活動を通して、多くの人がDIYリノベーションにトライできるよう全力で応援していきます。

 私は2015年を「DIYリノベーション元年」だと確信しています。ホームセンターや販売店にいま求められていることは、新時代のDIYニーズに積極的に対応すること、こうした潮流を一過性のブームに終わらせない企業努力に他なりません。

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