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廃校リノベならではの展示が人気
廃校をリノベーションして活用している事例の中で、敷地面積5万9409平米、延べ床面積9334平米と最大規模を誇るのが、ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡県静岡市)だ。2016年3月のオープンからの来館者数は約15万人にもおよぶ。また、その規模だけでなく、高校の廃校ならではの設備や備品を生かした空間づくりと展示で高い評価を受けており、10を超える国内外のリノベーションに関する賞を獲得している。企画総務課の山下浩平主査にリノベーションのポイントを聞いた。
中庭には学校当時からシンボルだった木をそのまま残している
教室を生かした展示室・講義室
同博物館が高い評価を得ている理由は、延べ床面積9334平米、改修費用約3億円という規模の大きさだけでなく、廃校らしさを生かした改修や展示にある。
例えば、展示室3~8。展示に適した照明効果を確保するために天井を外したり、直射日光を防ぐために窓を壁でふさいだりはしているが、基本的には元教室をそのまま利用している。本来、58平米という広さは、博物館の展示フロアとしては手狭。だが、部屋ごとに1つのテーマを完結させることで、むしろ部屋を移動するごとに展示シーン変化を楽しめるようにしている。
また、教室の一部は当時のままの姿で、講義室として使われている。この講義室では、昆虫や植物の標本づくりを見学したり、体験したりできるワークショップなどが開かれている。
各所に学校の趣が感じられる(上)
教室のまま講義室として利用されている(下)
机と椅子で遊び心ある演出
廃校前に使われていた机や椅子がいたるところで活用されている。例えば、展示室3や7では、机と椅子を組み合わせて展示ケースをつくっている。さらに、展示室8では、授業時のように机と椅子を並べ、様々な脊椎動物の骨を机や椅子に置くことで、まるで骨たちが授業を受けているかのように演出するといった遊び心も見られる。
骨が授業を受けているように見える展示室(左)
机を組み合わせた展示(右)
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