事業承継、経営は「バトンタッチがうまくいって100点」
「創業者が一生懸命がんばって50点、バトンタッチがうまくいって50点、それで100点」。事業承継の重要性についてこう語るのは、金沢の有力リフォーム会社、喜多ハウジングの喜多計世会長。ジェルコ主催のセミナーで「事業承継」をテーマに講演した。
同氏は現在69歳で、60歳のときに現社長の西谷清氏に社長職を譲ると発表し、それから8年間で年商は2倍の20億円となった。重要なのは3つのポイントだという。
1つは、人柄重視の社長候補選び。喜多会長は、候補を考える際に、「営業はうまくなくても、人材育成がうまく、パーソナリティを重視して選んだ」と話す。
2つ目は、社長よりも勤務経験が長く、年上の古参社員をどうするかについて。「古参社員は頑張って応援します、と言うんですが多くは応援しません。ほとんどの人がただくっついているか、中には足を引っ張ることも。それだと社長も成果が出ない。そのまま売り上げが落ちていって、倒産となるケースが私の周りにもあった」(喜多会長)。同氏は、古参社員を会長直属の部下にし、組織にはタッチしない体制に変えた。
3つ目は、役員会に出ないこと。喜多会長は「役員会に出たら、社長はどうしても名前だけの社長と思ってしまい、権限委譲がなされていたとしても、気を使ってしまう。だから一切出ない」と話す。しかし、その代わりに毎日社長から報連相を受けるようにしている。
「社長を譲った後に、周りから会社が良くなったねと言われないと。承継する前の1年間は徹底して教育を行いました。いつ事業承継するのかをきちんと決め、それに向けて教育するのが大事」(喜多会長)

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