輝く!リフォームセールス
今回登場するのは、入社2年目で年間売上1億3000万円を達成した佐井鈴佳さんだ。状況を客観視して打ち合わせを進めるクールな一面と「お客様の熱量を上回るプレゼン」を心がける熱い面を持ち合わせる佐井さんのノウハウを紹介する。
ウィル空間デザイン(兵庫県宝塚市)
リフォーム・リノベーション部門 第1チーム 佐井鈴佳さん 26歳
大阪市立大学で哲学を学ぶ。「納得するまで頑張る人を応援してくれる会社だと思い」(佐井さん)、ウィルに入社。リフォーム・リノベーション部門に配属される。「偶然ですが、父の職業が現場監督で、実家は父が担当して建ててくれました」
色紙に一言!
営業で大切にしてること
大切にしているのは「?(はてな)の追求」です。お客様にとって最適な提案になるよう、常に「本当にこれでいいのか」と仮説を立てて考えるようにしています(佐井さん)
このお客様に必要?「はてな」の仮説を立てる
不動産売買やリフォームなどを手がけているウィル。大阪府と兵庫県、愛知県に営業所があり、不動産仲介・リフォーム・注文建築の設計・ファイナンシャルプランニングなど住まいに関する各サービスをワンストップで提供している。
リフォーム・リノベーション部門を担うウィル空間デザインの佐井鈴佳さんは、上司から「天才」と呼ばれるほどの凄腕リフォーム営業だ。
ある時、佐井さんは不動産仲介部門から、自宅のリフォームを検討しているお客様を紹介された。ウィルを含む3社での相見積もりの案件だった。
競合他社は価格が安いA社と有名企業のB社。佐井さんは自社の特徴を「お客様にとって大事なものを一緒に考えていく会社です」と伝えたという。
お客様は50代の夫婦。案件は、3LDKのマンションを、洗面所からもキッチンに行き来できる2WAYにしたいという話からスタートした。
佐井さんはいつもお客様の言葉を鵜呑みにしない。本当にこのお客様に必要なものなのか、「?」と仮説を立てる。
調べてみると、2WAYにした場合、お風呂に段差ができてしまうことがわかった。そこで2WAYの案はなしに。その後も20回以上打ち合わせを重ねてニーズを聞き出し、最後は大きなウォークインクローゼットのある2LDKに決定。しかも、娘さんの意見を取り入れて、「ヌック」(落ち着ける心地よい小さなスペース)を作る案に落ち着いた。
カタログをキャリーケースに入れ、リュックに図面ケースを肩に掛けるのが佐井さんの営業スタイル。大荷物だが、その分熱い気持ちが伝わる
お客様の性格にも配慮、自社の物件もフル活用
佐井さんはお客様のことをよく見ている。このお客様はゆっくりとしたテンポで物事を決めていくタイプ。佐井さんは1回の打ち合わせの内容を絞り込み、混乱しないように配慮した。
さらにウィルが所有するリフォームモデルルームや、時には自分自身や社員の自宅を実際に見てもらうことで、完成時のイメージを持ってもらえるようにもした。お客様は最終的にウィルを選び、当初の予算700万円を超えて1000万円の予算となったが、満足してもらうことができた。
肩掛けタイプの図面ケースを愛用
佐井さん愛用の道具。奥にあるA3が入る図面ケースは肩掛けタイプ。その他パース画を描くパステル、コピック、マスキングテープなど。マジックペンは図面に文字を書き込むのに使用。「細いペンより太いペンの方が見落としがない」と佐井さん。レーザー距離計は、ショールームを案内している時などに「この距離感がいいな」と思ったら、すぐに測定して、お客様に説明できるように常に持ち歩いている
お客様の期待以上の提案でワクワクさせたい
佐井さんは打ち合わせの準備にも余念がない。
ウィル空間デザインでは不動産仲介の段階からお客様に関わることができるため、佐井さんは不動産担当者からお客様はどんな人でどういう生活を希望しているかなどをヒアリングする。
さらに現地調査に行き、3パターンほどのプレゼンボードを用意する。そのプレゼンボードもパース画や写真を多く使い、見ているだけでワクワクするように仕上げている。
「打ち合わせでは、常にお客様の熱量を上回ることを目指しています。お客様が期待し、楽しみにしてくださっている以上のものを提供したいのです。常にお客様の一歩先を行かなければ、私たちがお手伝いする意味がないと考えています」
現在は不動産仲介からの案件を手がけることが多い佐井さん。
「今後はウィル空間デザインにリフォームをお願いしたいから、不動産仲介部門で家を購入するというように、リフォームの依頼が最初にくるようブランディングをしていけたらと思っています」
佐井さんがお客様に提案する時に持っていくプレゼンボード。以前は下写真のようなタイプで作成していたが、今はブラックボードを使ってスタイリッシュに
※リフォマガ11月号より一部抜粋
