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紬(つむぎ)、DIYの「お手伝い」をビジネスに

紬(つむぎ)、DIYの「お手伝い」をビジネスに

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keyword 06◆ DIY

 改修はプロに任せるだけでなく、「できるものは自分たちで」というDIYが増えていきそうだ。紬(つむぎ・岩手県陸前高田市)ではDIYできるセミプロの育成やDIYをサポートするビジネスを展開し、新たな「改修」の形を広めようとしている。

オフィスの床を無垢フローリングにDIT(doing it together)オフィスの床を無垢フローリングにDIT(doing it together)。社員みんなで施工中

DIYとDIT

 「DIYの魅力はお金をかけずに心地よい空間がつくれること。そして、つくるもの同士が『つながり』を持てることなんです」。こう話すのは紬の桑原憂貴社長だ。同社では「KUMIKI PROJECT」というブランドで「DIY」ビジネスを展開。その一つが「DIYサポート」という事業だ。

 これはDIYで部屋をリフォームしたいというユーザーの家に出向いて、施工の指導を行うというもの。主役は家主であり、彼らが自ら行うリフォームをお手伝いするというものだ。

 例えばこんな依頼が舞い込む。京都に住む男性からは部屋の間仕切りをなくして二つの部屋を一部屋に改装し、和室の畳からフローリングに張り替え、壁に漆喰を塗るというもの。「私たちは工具を貸し出し施工方法を教え現場の仕切りを担当。工事はあくまでお客さんにやってもらうというサービスなんです」

 依頼される理由は、DIYしたいが不安、コストを抑えたいということと、作ることを楽しみたかったり、という3つが多い。例えば先の事例では業者に頼んだら約200万円かかったものがサポート代金込みで約50万円で済んだ。「もちろんコストを下げることができることもメリットですが、施工に参加された方やその友達同士がDIYの現場でつながりができるんです。私はこれをDITと呼んでいます。Doing it togetherですね」

工事費、職人の半額で

 サポートは個人宅だけではない。今人気なのがオフィスの改装サポートだ。特にベンチャー企業からの依頼が多く、「内装を節約しつつもおしゃれな空間にしたいという依頼です。私どもはそれらのメリットに加えて、DIYは社員同士の交流が増えて『チームビルディング』にもなると提案しています」(桑原社長)

 このサービスでは床材、デスク、スツール、ベンチといったオフィスを構成する12種類の建材や家具をあらかじめ用意している。誰でも質の高い改修が可能なように「簡単施工」な商品を取り揃えている。

 例えば床材なら、既存の床の上に置くだけで無垢のフローリング床になるというユニーク商品。デスクやスツールなどはDIYしやすいようにキット化され組み立てるだけ。依頼主はオフィスに必要なアイテムを選んだら、サポートを受けながら社員総出で工事に入る。ただし、必ず工事前に事前説明会を行うのがルールだ。

 「オフィスを考えることは、自分たちの働き方を考えることですから、一人一人が『どんなオフィスがいいだろうか』『コンセプトカラーはなんだろうか』といったようなことを考えるようにお伝えしています」(桑原社長)

 利用料金は、約35万円のプロデュース代金とキットの代金。15坪のフロアに社員20人が働く、あるベンチャー企業では69万9000円だった。社員みんなで施工することによって人工代が減るため、「職人さんに頼んだ場合に比べて最大で50%ほど工事費が下げられるケースも多い」(桑原社長)

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