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「中古+リフォーム」提案のコツは"月々...

2014年6月17日・18日

「中古+リフォーム」提案のコツは"月々いくら支払うか" 「我々の仕事は住環境改善のコンサルティング」 《リフォーム産業フェアセミナーリポート》

東京ビッグサイト 西2ホール
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セミナリポート14

[セミナータイトル] 競争時代を生き抜く住まいの総合提案モデルとは

匠工房 加賀爪宏介社長

匠工房 加賀爪宏介社長

匠工房は2003年の創業時はリフォーム専業だったが、現在は不動産仲介、新築と事業を拡大し、滋賀、京都に6店舗を構える。「不動産・建築業界をサービス業に」を目標に、顧客目線の営業に力を入れている。

中古住宅流通がリフォーム市場を拡大

 匠工房の加賀爪と申します。本日は、不動産仲介からリフォームをいかに受注できるのかということを中心にお話しします。今後もリフォーム市場は盛り上がり、2020年をめどに7.6兆円になる予測です。それは、これまでの市場に加え、中古物件の購入時に行うリフォーム、そのボリュームゾーンの増加が、拡大の最大要因といわれています。

 物件購入にプラスしたリフォームは、2通りあります。不動産を手放す売り主が、物件を売りやすくするためにリフォームする場合。要するに見栄えを良くし、買っていただく確率を上げていくリフォームです。もう1つが買い主自身によるリフォーム。これら中古住宅の売買に伴うリフォームの市場規模が5000億円です。

 もはや新築が次々と建つ時代ではありません。余った家を再利用する。政府も中古住宅市場の活性化を後押ししています。今後は、不動産業にかかわっていないと難しいかもしれません。自社内に不動産の部署を小さくても持つと市場の盛り上がりが体感できると思います。

 弊社の不動産事業で、買い主によるリフォーム率は100%です。何をもって100%かというと、中古物件を購入した時、鍵交換をご存知でしょう。弊社は、そこもリフォーム工事という認識です。鍵交換、ハウスクリーニングに始まり、小さな工事では10万円位のものもあります。そこから、どうせリフォームするのであれば、とお客様に様々な提案をさせてもらっています。

物件購入時の提案方法のコツとは

 不動産購入時に、弊社が買い主にリフォームを提案する1例を紹介します。ほとんどの不動産会社は、物件案内時に、不動産の営業マンが「リビングが広いですね」等、現状を過大評価してお客様に伝えるのが通例です。弊社では、案内時に「現調」に行くという認識でいます。ですが、ここではリフォームの営業マンは同行しません。

 不動産の営業マンが、簡略的な間取りと見積欄のある手帳を持って行きます。間取りを見ながら、トイレを和式から洋式に変える等チェックし、ざっくりとした金額を足していきます。現場を一通り回って記入、買い主にこれ以上かからない上限の金額を提案します。そうすることで、案内が終わり、そのまま事務所に戻り「買付」を書く作業に移行できます。

 ほとんどの不動産屋が、物件を案内した後に買付を書いてくださいと急がせますが、大半のお客様は書かない。例えば、3000万の物件として、かかる諸経費は約10%ですので総額3300万になります。

 ただ、中古の場合、中を見てリフォームをしたいと思っているお客様であれば、3300万にプラス、自分たちが思っているリフォームはいくらになるかが気になっています。ですから、リフォームを含めた総額を出し、それをどんな金利のローンを組んだら、月々いくらなのか。そこまでしないと、お客様は買付を書いてくれません。

 ですから弊社は、後に内容は詰めますがと前置きし、例えばリフォームはざっくり500万と説明。3300万と500万で3800万。それを月々1%の金利でボーナス払いなしで考えると月の支払いは10万5000円になります、と提案します。見積もりの概算を買付のタイミングで出してあげられるかが、リフォームが取れるかどうかにかかわってくる。

 さらに言うと、一般的な年収400万~500万といわれるボリュームゾーンのお客様は、総額うんぬんよりも月々いくらかです。賃貸で払っている金額と比べて、支払いできるかどうか、そこに興味があるのです。

 また、住宅ローンの流れで言いますと、弊社は営業マンが物件を案内する場合、ローンの事前審査を通過したお客様だけを案内しています。成功の1番のポイントは、お客様が玄関から入ってきたその時に、「お客様はローンが通りますか」ということが言えるかどうか。

 ほとんどの業者において、歩留まりが悪く利益がでない理由は、買うことができないお客様に長々と時間を使っていることからきます。「案内」という労力をかけることをさせていただくので、最低限、与信の部分でローンが通るお客様しか相手にできません。

 ローンが通るかどうか分からないお客様が物件を振り回し、昔の借り入れ等で審査が通らないと分かった場合、その数日間行われた労力はすべて無駄になります。お客様の立場からも、ローンが通るか通らないかを1番早く確定させてあげることが、顧客の満足につながると考えています。

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