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"顧客生涯価値"を意識したストック循環...

2014年6月17日・18日

"顧客生涯価値"を意識したストック循環経営を「1回ではなく一生で売上を考える」 《リフォーム産業フェアセミナーリポート》

東京ビッグサイト 西2ホール
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セミナリポート14

[セミナータイトル] 1店舗で売り上げ20億円、地方都市のリフォーム会社がマネしたいブランド化戦略

サンプロ 青柳弘昭 社長

サンプロ 青柳弘昭 社長

職人の社長が平成8年に創業したサンプロ(長野県塩尻市)。リフォームからスタートし、新築、不動産と事業を拡大。青柳弘昭社長は「顧客一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)を意識した経営戦略」が重要だと話す。

小さくても存在価値が高く、強い会社へ

 長野県の塩尻市から参りました青柳です。弊社、現在従業員数は54名。リフォームと新築、ここ数年は不動産を加えた3本柱でやっております。商圏は20万世帯強。売り上げは、本年8月の決算で23億円です。
 「小さくても存在価値が高く、強い会社」というコンセプトで経営を行ってきました。リフォーム業界は活性化していく傾向にありますが、半面、競争が激しくなり収益の低下を招くということも想定できます。

 その中を勝ち抜いていく戦略を一言でいうと、顧客生涯価値、いわゆるライフタイムバリュー(以下、LTV)を意識したストック循環型の経営をするということです。LTVとは、企業と顧客が継続的に取引をすることによって、顧客が企業にもたらす利益を指します。端的に言うと「1回ではなく一生で売り上げを考える」。

 従来は新築、リフォームともに、すでに意志決定をしている人へ手をあげ、競争して仕事を獲得していました。それに対し、LTVを根底においた弊社の戦略は、一度ご縁を頂いたお客様との信頼関係を大切にし、リピートや紹介は当然のこと、顧客の人生において顕在化していない住生活関連の需要を広くビジネスにしていくということです。

勝ち抜くための3つの作戦とポジショニング

 LTVを根底においた作戦は3つあります。まずは、事業を増やす。そして占有率、いわゆるシェアを高める。マーケットを広げる。この順です。

 まずは、事業を増やすことで自社の経済圏を広げることが大切になります。例として、弊社のショールームでは雑貨を販売しています。それ独自で儲けるためではありません。雑貨事業があることでショールームへの来店が増える。

 キーマンは女性ですので、雑貨にぶらり来店し、ショールームも見ていただいて、将来弊社で家を建て、リフォームをしたいと言っていただける機会を作っています。

 またリフォームの工事で、一度信頼関係が生まれた50~60代の方とは「息子が結婚したので家を建てたい」というような相談をよくされます。そこで不動産部で土地を紹介し、当然その流れの中で家も建てていただく。各事業部が連携し合うことでシナジーが生まれ、"範囲の優位性"というものを獲得していきます。

 事業を増やすことは、意志決定をすればできますが、それぞれが採算性をもって伸ばすことが難しい場合もあります。そこで大切になるのは、競争優位を生むポジショニングです。とはいえ、地域のパワービルダーがすでに圧倒的なシェアを取っていますので、至難の技です。そこで、会社が一番になれるポジションを決めることが必要です。要は、他社と異なる道筋を選び、競争要因の影響が最も弱い部分にポジションを確立するという考え方をしています。

 弊社は「作戦コードネーム超サンプロ」と呼ぶ作戦で地域の占有率を上げる努力をしています。新築の現場、リフォームの現場、不動産の現場、エリアとする地域にサンプロという看板をたくさん出します。そして「どこに行ってもサンプロっていう看板をよく見るね」という状態を作り上げる。そうすることで、お客様から、新築にしてもリフォームにしても不動産にしても考える時はあそこに聞いてみようと思っていただけます。

 エリアを広げることは最終手段です。まずは事業を増やす、占有率を上げるという中で経済圏を広げ、シナジーを生んでいくということを念頭に展開しています。会社の目指すポジション、事業ごとのポジションをしっかりと決めた上で事業を増やしていけば、徐々に占有率は上がっていきます。

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