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マスタープラン、他人が嫌がる"差別化"...

2014年6月17日・18日

マスタープラン、他人が嫌がる"差別化"を実践 木のリノベで単価1000万円超に《リフォーム産業フェアセミナーリポート》

東京ビッグサイト 西2ホール
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セミナリポート14

[セミナータイトル] 木のマンションリノベーション
~1000万円超の依頼が殺到!"木のマンションリノベーション"で圧倒的な差別化を図るノウハウ

マスタープラン 小谷和也社長 

マスタープラン 小谷和也社長

国産の無垢材を使ったマンションリフォームに特化した「マスタープラン」は、単に無垢材だけを売りにしているのではない。木の特性を十分に踏まえた上で、マンションで暮らす人の悩みに細やかに対応する設計思想にこそ、成功の秘訣がある。1000万円以上の依頼が引きも切らない理由とは―――。

国産材を使用

 国産材を使ったマンションのリフォームに特化している「マスタープラン」の小谷和也です。要は、「他の人が嫌がることをやっている」だけなんですけど、他の誰もやらないということが、つまり「差別化」だと思っていますので、今日はそんなことをお話ししたいと思います。

 私が「木のマンションリフォーム」と呼んでいるのは、

  • (1)中古マンションのスケルトンリノベーション
  • (2)床材や家具は国産材を使う
  • (3)設計素材は標準化
  • (4)断熱性能の向上と結露防止
  • (5)無垢材+乾式二重床による遮音性能の向上
  • (6)通風・採光・動線を確保するプランニング重視
  • (7)照明計画から置く家具・植栽まで提案する          といった特徴があります。

 もちろん、木のマンションリフォームをするには工夫が必要です。例えば今、うちで使っている国産材は吉野杉のフローリング。特注で作っており、厚さ30mmで幅が215mm、長さが1820mm。普通の働き幅、厚みの倍です。幅が広ければ現場での施工の手間を減らせますし、部屋を広く見せる効果もあります。

 また、現場での施工性を上げるために四方をエンドマッチ加工にしてあります。はまりが悪いと騒音の原因にもなるため、実(さね)はすべてRのついた形状にしてあります。長さ1820mmなのはマンションのエレベーターに乗せられるようにしたためです。

 マンションの木材利用では過乾燥にも注意が必要です。マンション内は乾燥が進み、含水率が高い木材は後々変形する恐れがあるんです。そこで、最低でも出荷時に12%以下にしておきます。そこまでしておくと、貼っている間に9~10%になり、施工後に隙間が空くこともありません。

 また、「遮音性」にも十分に配慮しなければなりません。無垢材ブームのために、マンション床で木材を使う例が増えてきましたが、知識のない業者が安易に無垢材を使ったために、床騒音のクレームも増加しているからです。

 結論から言うと、無垢材で遮音をするなら、乾式二重床しか方法はありません。スラブに貼る遮音マットの製品も多くありますが、ほとんど効果がありません。また、もっともやってはいけないのが、遮音フローリングに無垢材を直接重ね貼りすることです。

 いろいろ試験した結果、一番性能が良かったのが乾式二重床だったということです。

カビ対策に断熱

 もう1つ、大切にしているのが「断熱」です。断熱改修で熱損失がなくなり、冷暖房費がかからなくなる、というメリットがありますが、これはあくまでも"おまけ"。木のマンションリフォームで問題になるのが結露からのカビです。

 マンションが構造的に持っている問題は、住戸位置によって温度差が非常に大きいことです。1階の部屋は冬寒く、最上階は夏ものすごく暑い。真ん中の階の真ん中の部屋ほど断熱性が高い傾向にあります。Q値でいえば、無断熱でも1.7~1.8くらいは出ます。角部屋だと7~8くらいなので差は歴然です。

 また、最近のマンションは南側の窓をどんどん大きくするようになったことで、コールドドラフ
ト(窓辺から発生する下降冷気)が起きて床が冷たくなるようになりました。合板フローリングだとさらに冷たくなりやすい。それをごまかすために床暖房を入れているというのが現状です。

 吹付の断熱材も使っていますが、トラックを付けてホースを伸ばさなければならないために、マンションではやりにくい。そのためどこでも施工できるボードを使うことが多くなります。また、内窓も標準で入れます。2重になるので見込みが厚くなりますが、ここに断熱ブラインドをプラスすると本当に暖房費がいらなくなります。コールドドラフトも起きなくなるので、床暖房も外してしまいます。

 もう1つ大切なのが、マンション固有の悩みを解決すること。それには設計の工夫が必要です。

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