前期連結リフォーム売り上げ647億円を記録したミサワホームは、3年後に同事業で1000億円突破を目指す。営業人員を400人弱増加するほか、生産性の向上などにより事業拡大を図る方針。これらの施策で全体売上高に占めるリフォーム売り上げ比率を5ポイント引き上げ、20%を狙う。
今期4%増の675億円計画
ミサワホームの前期連結リフォーム売り上げは、前年度比11%増の647億円。営業利益は同14%増の142億円だった。2ケタの増収増益を遂げた最も大きな要因は消費増税による駆け込み需要。
ミサワホームの連結リフォーム売り上げ推移
今期の2014年度計画は、特需が終了した厳しい局面からスタートしたが、前年度比4%増の675億円。その後は、15年度21%増の820億円、16年度22%増の1000億円と、いずれも20%を超す増収を目指す。
増収達成に向けた施策の1つが営業マンの生産性の向上だ。首都圏のリフォーム事業を担うミサワホームイングでは、10万円以下の小工事は、認定した業者に外注している。また、10~30万円の工事は、30人の小工事専門部隊を構築。通常の営業マンが対応する工事は30万円以上とした。
これにより、営業マン1人あたりの月間工事件数約4件(全国平均7、8件)に減少。生産性は100万円ほど上昇した。そこで、同様の仕組みを全国の販社に落とし込む予定だ。それにより、平均で80万円ほど、工事単価のアップを進める。
「全国に同様の仕組みを採用していこうと考えています。ただ、東京などは住宅が密集していますし、業者も多い。例えば滋賀県で取り組もうと思うと、琵琶湖があって飛び飛びで行うしかない。そこでやり方を考えながら進めないといけないのですが、小工事は効率化していきます」(沼尻正和ストック事業本部・ホームイング推進部長)
人材獲得を推進
営業人員の増員も積極的に行う。現状983人の人員を14年度1100人、15年度1230人、16年度1360人と増やしていき、3年間で400人弱増員する予定だ。新築部門からの移籍もあるが、未確定要素が多いため、さまざまな採用方法で人材獲得を図っていく。同社は今後3カ年で261億円の販管費を予定しているが、大半をリフォーム営業の人員強化に充てる予定だ。ただ、計画達成は容易ではない。
「今、建築系の経験者はなかなか入ってきていません。本社採用で地方に出向させたりしていますが、伸びにくい状況です」(沼尻部長)
OB捕捉率40%に
リフォーム売り上げに対する新築OBと新規の比率は現状約6対4の割合。売り上げ比率の高いOB客は約60万件あり、1件当たりの年間リフォーム費用を20万7000円で換算すると、捕捉率は35%。当面は40%を1つの目標にしており、性能向上リフォームやガラスの重さが従来の2分の1のオリジナルPVなどで、パーセンテージのアップを図る。PVは前期1070台の販売だったが、2000台を目指す考えだ。
一方、新規向けの施策の1つは、リフォーム展示場の設置だ。
「総合展示場って、定期イベントで集客できていますよね。そこでリフォーム専門の展示場があってもいいのかと。総合展示場の区画があいたら建てるか、撤退した企業がいたらそれを買い取ってリフォームすることも考えています」(同部長)
東京都三鷹駅前にオープンしたショールーム「マンションリフォームプラザ」
他にも2010年から展開するマンションリフォーム事業や旅館など、非住宅のリフォームを推進し、増収を図る。
≪ミサワホームのリフォーム概要≫
- 2013年度売上高/647億円
- 営業人員/983人
- 全体売り上げに対するリフォーム売り上げ割合/15%
- OB新規の割合(売り上げ比率)/6 : 4
- 新築OBストック数/約60万
- リフォーム捕捉率/35%(OB1件につき年間20万7000円のリフォームを行う計算上の数字)

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