サンゲツ、壁紙見本帳2冊を刷新 壁紙を選択しやすい仕様に

サンゲツ（愛知県名古屋市）は、壁紙見本帳「2024-2027リザーブ」と「2024-2027リフォームアップ」を5月に発刊した。施主自身でコーディネートがしやすく、壁紙選びが楽しくなるようなアイディアを見本帳に詰め込んだ。今回より、見本帳の有効期限を2年から3年に延長し、長く安心して使える仕様となった。

春夏秋冬をイメージする色に合わせて名前をつけた

夏のページでは、ひまわりや虫の声、木のぼりとった名前が並ぶ

スタンダードを追求した「リザーブ」

リザーブは、新築住宅とリフォームのどちらにも使いやすい795点をラインアップ。「住まいを彩る、壁紙の絶対的スタンダード」をコンセプトに掲げ、3つの特徴をもつ。

1つ目は、施工性を追求したこと。同見本帳では、不燃認定壁紙に比べ厚みがあり貼り替えがしやすい準不燃壁紙に統一した。これにより、リフォームに最適な商品を前見本帳の259点から355点に拡充。リザーブに収録する全795点のうち約45％がリフォームに適した壁紙となった。

2つめは、「バイオクロス」や「デイリーパレット」など無地調壁紙のバリエーションを拡充したこと。バイオクロスは、ジャパンディやラスティックモダンなどのスタイルに合うカラーリング。原材料には、従来の石油由来ではなく植物由来の可塑剤を使用し、環境負荷の低減に貢献する。石目調壁紙シリーズのデイリーパレットは「生活の色彩」をテーマに、日本の四季をイメージしたカラーで構成した。ネーミングも、ライトピンクの「母の日」や、マットブラウンの「木のぼり」など趣向を凝らした。

「日本人の心に刺さり、愛着が湧くネーミングを、若手含めみんなで考えました。蚊取り線香やイエティは、イメージがしにくく採用されなかったですね。壁紙を楽しんで選んでもらえたら嬉しいです」（スペースプランニング部門 壁装ユニット 商品開発課 尾﨑拓磨氏）

3つめは、TOTO（福岡県北九州市）の環境浄化技術「ハイドロテクト」を活用した抗ウイルス機能を持つ「ライトフレッシュ壁紙」を開発したこと。このほか、柔軟性の高いフィルムを採用した施工性の良い汚れ防止壁紙「フィルム汚れ防止バランスタイプ」も新たに収録している。

壁紙の選びやすさを工夫した「リフォームアップ」

リフォームアップは、リフォームに特化した壁紙見本帳だ。インテリアコーディネーターがいなくても顧客自身で壁紙を選べるよう工夫した。

前見本帳との違いは、類似する色を絞り、全体点数を110点から83点に厳選したこと。巻末には、リビング、寝室、和室、洗面室、トイレの計44パターンの部屋別コーディネート集を掲載。これまで営業担当者は顧客ごとに提案書を作成することが多かったが、見本帳の中に提案ツールを組み込むことで、顧客自身で壁紙選びが完結できるような仕組みとした。

さらに同見本帳では、部屋別コーディネート集、壁紙実物サンプルに加えて、巾木サンプルを付属する。1冊で壁紙と巾木、床などの組み合わせを確認できる見本帳仕様とし、特許を取得した。

「見本帳の下側から巾木が飛び出すつくりになっています。好みの壁紙サンプルのページを開いて、その下から巾木を出すことで、組み合わせをイメージしやすいです」（スペースプランニング部門 壁装ユニット 商品開発課 澤井千里氏）

コーディネート集、壁紙実物サンプル、巾木サンプルを一度に見ることができる

同見本帳には、昔の床材にも合わせやすいよう普遍的なデザインを収録する。その一方で、ショールームの来場者が持ち帰ったサンプルを分析した結果、北欧テイストや爽やかな印象の柄が多いことが分かった。これを踏まえ、前見本帳にはなかったレモン柄や北欧柄を追加した。

レモンの木を水彩タッチで描いていて、空間のアクセントになる

リニューアル時期を2年から3年へ

2つの見本帳は、今回からリニューアル周期を2年から3年に変更した。周期を1年長くしたのは、2年という短いサイクルだと廃番が気になり１つの商品を安心して長く使えないという声があったからだ。加えて見本帳の刷新タイミングを長引かせることで、環境負荷の軽減につなげていく。

「リニューアル周期を延長することで、トレンドの長期予測も必要になってきます。3年先を見据えて、弊社がトレンドをつくって発信するくらいの意気込みで、商品開発を行いたいです」（尾﨑氏）

スペースプランニング部門　壁装ユニット　商品開発課　澤井千里氏

スペースプランニング部門　壁装ユニット　商品開発課　尾﨑拓磨氏