働き方改革関連法が中小企業に施行され1年が経った。年5日の有給休暇取得、長時間労働の是正などが義務づけられている。社員の働き方を見直すことで業務効率化を実現し、成長を遂げる会社が増えてきた。改革促進組織の発足、ノー残業デーの実施、職人の正社員雇用などさまざまな取り組みがある。
三承工業
脱ブラック・残業月16時間に、有休競い合う仕組みで取得率46%
三承工業(岐阜県岐阜市)は残業時間を大幅に減らした企業だ。西岡徹人社長は「かつては超が付くブラック企業だったと思います。昔は朝6時から26時までの20時間労働が当たり前だった時期も。社員に恨まれ、退職されることに悩みました」と振り返る。
毎週水曜日と8のつく日をノー残業デーに定める三承工業。社員の子どもが会社の中で「本日はノー残業デー」というパネルを持ってアピール
社長自身が体調を崩したことを機に考えを改め、働き方改革を推進した結果、1カ月の残業時間は2年前の18.5時間から現在は16.7時間までに減少。5日間の有休取得率は2年間で12.2%から約34ポイント増の46.7%になった。
改革として着手したのは、働き方改革を促進する組織「チーム夢子」の発足だ。メンバーは9人。社員だけでなく、社員の家族や協力会社、さらにOB客で構成される。
同組織が音頭を取ってノー残業デーを実施したり、「カンガルー出勤」という子供同伴の出勤により女性が活躍し、業務効率化につなげた。
また部門ごとに有休取得をどのくらい取得したかをオンラインで共有し、競い合う仕組みも導入。離職率は10年前の53%からわずか6%に減少した。
同社の年商は新築も含めて13億円。2021年8月期のリフォーム売上高は、前期2億円から倍増する見込みとなるなど成長を続ける。
「かつては売り上げ3億円、借金も3億円の会社が労働環境を徹底的に見直した結果、生まれ変われました」(西岡社長)
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