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《テクノロジーが変える建設業界の未来vol.22》石川組、システム導入と合わせて意識も一新社内体制・ルールも同時に再構築

《テクノロジーが変える建設業界の未来 vol.22》石川組、システム導入と合わせて意識も一新 社内体制・ルールも同時に再構築

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足場工事の石川組(富山県砺波市)は富山県を中心に北陸3県を営業エリアとして展開している。設立は8年前の2013年。平均年齢も28歳と若い会社ではあるが、年間工事件数は戸建て・賃貸アパートをメインにおよそ1000件。安定した工事品質を提供することで競合他社との差別化を図っている。石川誼希社長と石川将司統括部長に聞いた。

石川組 報告機能を活用することで現場にいる職人さんとの電話のやり取りも格段に減少報告機能を活用することで現場にいる職人さんとの電話のやり取りも格段に減少。取引先の工務店やリフォーム会社とのやりとりもANDPAD導入によってスムーズに行えるようになった(写真はイメージ)

同時進行現場も一元管理
確認漏れ減少で品質も安定

同社では今春まで、報告写真はLINE、案件の整理はノートに記録することで現場を管理していた。ただ、同時進行で40~50件現場が重なることも。そうした場合、ノートでの管理では全現場の進行状況を一覧で把握することが難しかったため、どうしても確認漏れが生じていた。施工マニュアルはあったものの、現場が増えれば増えるほど品質管理や報告体制に多少ムラも生じていた。

かねてから「現場管理を見える化したい」と考えていた同社では、今年5月現場管理システムANDPADを導入。同時に社内の組織改革に踏み切った。システム導入と合わせ、まずは社内ルールを統一化。安定した工事品質を提供するために社内体制を整えるところからスタートした。

「(ANDPADの活用について)当社の場合、職長が現場で仕上げたものを報告、会社で工程表や図面を入れるといった役割分担を決めました。システムを導入する前はそういった役割分担も曖昧でしたので、導入をきっかけに社内の仕組みを再構築しました」(石川誼希社長)

社内全体の枠組みから再構築したことで、社員へのシステムの浸透もスムーズに進んだ。「(システム導入に合わせて)社員の意識も入れ替わり、新しい気持ちでスタートすることができたことの影響が大きかった」(石川将司統括部長)

同社では、オリジナル仕様で施工検査のチェック項目をつくり、それを報告機能の中で共有し、施工確認をしている。さらに、上級管理職の品質チェックもこれまで、専務が一人で確認していたものを、社内で共有できるようになったことで、社長や他の取締役も確認業務に加わることが可能になり、品質管理のチェックもより厳密に行えるようになった。

今後の展開として、より取引先からの信頼を高めるためのISO認証の取得や、市場規模の高いエリアへの新規出店も考えている。品質だけでなく安全基準についてもますます厳しくなっていく足場工事の分野においても、システム導入よる現場・品質管理の必要性が求められている。

【リポート/企画開発部マネージャー 鹿熊佳恵】

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