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路地をシェア、交流生み出す
京都に数多く残る「町家」を住居や旅館にリフォームする取り組みで全国的に知られる八清(京都府京都市)。同社が先日手掛けた子育て世帯をターゲットにした賃貸「さらしや長屋」を紹介する。
外 観
トンネル路地を抜けると、幅1.5メートルの坪庭と、4軒の住居がある。
庭の壁や縁側で住居間のコミュニケーションが生まれ、不安の多い子育てを住民同士で協力して行うことも期待される
トンネルを抜けると坪庭
四条駅から徒歩10分。「トンネル路地」と呼ばれる京町家ならではの玄関を抜けると、そこには4軒からなる2階建て住居と、奥に向けて細長い坪庭が広がる。大正11年、95年前に建てられたこの家は、今では人気の賃貸物件に生まれ変わった。
「さらしや長屋」と命名された物件は、同社が応募した、京都市「空き家活用 まちづくり」モデル・プロジェクト選定事業を活用したもの。4軒すべてが空き家になっており、うち1軒のオーナーから相談を受け、全戸を買い取り、事業がスタートした。
同地の町内会への説得には時間を要したが、無事工事が開始。補助金500万円を含め、計6100万円で全面的にリフォームを施した。
構造はほぼそのままに、内装、設備を一新。床はビンテージ感のある無垢材、壁は漆喰で、町家らしさが感じられるモダンなデザインに仕上げた。キッチンは造作し、扉パネルも内装の質感に合わせた。
西村孝平社長は「コンセプトは『路地をシェア』。4軒にまたがる坪庭の壁を、黒漆喰で伝言、落書きできるものにした。世帯間のコミュニケーションがここで生まれる」と話す。
専 有 部
1階はキッチン、リビング、トイレ、浴室。
2階には寝室とロフトを備える
入居者集めて売却
4軒の住居はすでに満室。ある入居者は、ドイツで暮らす日本人が、物件のコンセプトに共感し、入居を決意した。

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