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《リノベーション物語》珈琲と麦酒、明治33年の町屋をカフェに

《リノベーション物語》珈琲と麦酒、明治33年の町屋をカフェに

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リノベーション物語ロゴ珈琲と麦酒

 古い寺が並ぶ福岡・上呉服町の路地裏に、街並みに溶け込むようにあるのがカフェ「珈琲と麦酒」だ。手がけたのは建築企画事務所の春秋社(福岡県福岡市)。明治33年の町屋をリノベーションし、地域の人でにぎわっている同店についてリポートする。

歴史ある街の路地裏にある歴史ある街の路地裏にある。北欧テイストののれんがワンポイント

モダンな提灯でお出迎え

 深いグレーで塗装された開き戸を開けると、6坪の居心地の良いこぢんまりとした空間が現れる。ひときわ目立つのは、白木のカウンターの上に浮かぶ大きくて丸いモダンな提灯だ。杉や松材の梁や柱には継手や仕口の欠き込み跡やホゾ穴などが残り、歴史の長さを物語っている。モルタルで塗装された壁には、白のチョークでメニューが書かれており、店主・姉川智子氏のアイデアが光る。

 2階に上がって広がるのは、長机と椅子が並ぶシンプルな空間。少し曲がった古い梁からは、積み重ねてきた時間が感じられる。ここでコーヒーを楽しむことはもちろん、レンタルスペースとしても利用が可能だ。1階とは異なる趣の中、のんびりとした時間を過ごすことができる。

 

左上:階段にもイサム・ノグチの提灯が吊り下げられている
右上:ここでコーヒーを飲むことはもちろん、会議や打ち上げなどさまざまな利用もされている

下:少し曲がった古い梁からは積み重ねてきた時間が感じられる
※Copyright※春秋社

 金丸龍太郎社長は 「デザインの基本方針は、古い柱や梁など先輩の素材やデザインに敬意を表して、それをおとしめないようにすること。例えば、ビニールクロスと天然素材を組み合わせたら、素材が喧嘩してお互いをおとしめてしまう。どの素材を使うかで、全く考えを変えないと調和しないわけです。このポリシーを厳密に守りました」

 また、動線を合理化して動きに無駄がない設計にこだわった。

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