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- > 無垢床の重ね貼り施工、騒音トラブルの元に?
マンションリフォームで無垢床材を使用する際は、正しい施工方法で―――。こう指摘するのはマンションのスケルトンリフォームで数多くの実績を持つ、マスタープラン一級建築士事務所(兵庫県西宮市)の小谷和也社長。このたび東京都内でプロ向けに施工ノウハウを披露するセミナーを開催した。約40人が参加。
セミナーのテーマは、「マンションリフォームでの床騒音と遮音の正しい知識」。
同社では約60件のマンションスケルトンリフォームを手掛けており、その知見をウェブサイトやフェイスブックで公開している。
小谷氏のもとには、他社で無垢床材にリフォームした後、下の階の住民と騒音トラブルになってしまったと悩むユーザーからの問い合わせが年々増えてきている。これを受け、事業者に正しい知識を伝えたいということでセミナーを開催した。
小谷氏が警告するのは、既存の合板フローリングの上に、無垢の床材を重ね貼りするという工法。実際に、重ね貼りした場合の床の遮音性能を調査したところ、既存の合板フローリングだけの状態に比べて遮音性が下がったという。
同氏は「重ね貼り施工は、廃材が抑えられ、作業も効率化できるが、注意が必要。実験の結果、遮音性のある既存の合板フローリングの上に無垢床材を重ね貼りすると、ただのベニヤ板のようになる。下の階に住む人に生活音がより大きく伝わるようになり、騒音トラブルになることも」と話す。
また、既存の床をはがし、コンクリートむき出しの土間風のデザインにするケースも注意が必要という。音を遮るものがなくなることで、下の階への騒音が大きくなるからだ。
「マンションリノベーションが流行してきていて、設計の際にデザインにこだわる人は多い。でも遮音に関心を持つ人はまだまだ少ない。誤った施工によりクレームが増えてきている。建築事業者は、遮音について正しい知識を持つべきです」(小谷氏)。

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