KMユナイテッド・原田左官工業所、「職人不足問題」解決へ《リフォーム産業フェア 経営セミナーリポート》
若手や女性、独自の教育術を公開
人材不足が大きな課題となっている建設業界。女性や外国人など多様な人材の採用・育成を推めているKMユナイテッド(大阪府大阪市)の竹延幸雄社長と、原田左官工業所(東京都文京区)の原田宗亮社長に、職人育成の極意とダイバーシティ経営のもたらすメリットについて聞いた。
職人教育の極意
「当社は左官の基礎を覚えてもらうために、モデリングという教育方法を採用しています」(原田社長)
モデリングとはビデオを使って仕事の「型」を見せ、それを繰り返し真似することで技術を身に着けていく方法のこと。道具の持ち方などを予め理解しておくことで、その後の仕事が覚えやすくなるという。
「習得に2〜3ヶ月かかっていたベニヤ1枚の壁を塗って剥がす作業が、2〜3週間で身につくようになりました」
一方、KMユナイテッドでは社内に練習場を作り、技能訓練を行う「育成塾」を開いている。竹延社長は経験が無い人に対しても一流の職人が教えることにこだわり、高い技術を持つ職人がいれば遠方からでも講師として迎えている。いまでは週1回ペースで職人たちが自主練習するようになったという。
「育成塾の日は、20人ほど入れる練習場からあふれるほどたくさんの職人が集まります。また、自分たちで講師として呼んでほしい人を見つけ、交渉するようにもなりました」(竹延社長)
KMユナイテッドの職人がこれほどのモチベーションを保つ秘訣は、毎月賞与が出る制度にある。金箔塗装などの高等技術が必要な仕事をした際、その都度評価するようにしている。また、原田左官工業所でもクオカードなどを利用して、即時に評価すること
改革がもたらしたメリット
新しいことを取り入れようとすると反発も出てくるが、実際に取り入れたことで効果が出れば周囲も理解を示してくれるようになるという。

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