【サンゲツ社長インタビュー】物流拠点等の先行投資増も、海外M&Aで売上伸長
サンゲツ 安田正介 代表取締役 社長執行役員
《Profile》
1950年生まれ、東京都出身。一橋大学経済学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。執行役員機能化学品本部長、中部支社長、常務執行役員を経て、12年に株式会社サンゲツの社外取締役に就任。14年、代表取締役社長(現任)。
インテリア業界最大手の専門商社サンゲツ(愛知県名古屋市)。1849(嘉永2)年の創業以来初めて、一族以外から安田正介社長が経営トップに就任して間もなく5年。直近の中期経営計画『PLG 2019』では、人材強化から物流・拠点の再構築、M&Aによる海外事業の拡大、株主還元策等まで、同社の新たな価値創造に向けた成長戦略が盛り込まれている。その進捗等を聞いた。(聞き手・弊紙代表加覧光次郎)
女性社員の26%がワーキングマザーとして活躍
「プロ人材育成」「女性活躍」の改革人事
―― 前にお会いしたのは3年前。社長就任から1年ちょっとたった頃で「成長に向けた仕込みをしている」という話を聞きました。今回は「仕込み」の効果をお聞きしに来ました。
社内制度を変えるとか、そういった入れ物自体を変えることは簡単なのですが、人材強化にはなかなか難しいところがあります。『PLG 2019』でも「プロ人材の育成」を掲げて、研修制度やジョブローテーションを行っています。しかし「この業界における、プロというのは何なんだ?」というのが、課題としてあるのですね。
――御社は、20年くらい前までは日比賢昭さんというスーパーマンがワントップでやっていて、取締役、社長4人以下は課長しかいないといった会社でした。安田社長体制となり、大きく変わったのではないですか。
一番組織的に変化したのは事業部です。壁装事業部、床材事業部、ファブリック事業部の3つの事業部制にして、それぞれに事業部長と商品開発課長、購買課長、事業推進課長がいます。
そして、それぞれの事業部が収益責任体制をとっている。なぜかというと、うちは買値があって売値があるわけです。その買値を交渉して決めているのも事業部であるし、売値も最終的には事業部長です。
――昔は、日比賢昭さんが3人の事業部長と9人の課長、12人分を兼務でやっていたわけですね。女性管理職も増えましたね。
女性管理職は、以前はショールームと営業推進と呼ばれる受注関係がほとんどでした。今は経営企画課長や広報IR課長など、要職を女性が占めるようになったのが、大きな違いですね。
以前はうちも女性が働き続けるのがなかなか難しい職場だったと思います。でも、うちは女性から人気があって、能力がある女性が入ってくる。彼女たちには、長期的にいろいろな仕事で頑張ってもらいたいと思っています。今、育休中の女性が45人、ワーキングマザーは121人かな。女子社員の26%がワーキングマザーですね。

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