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【令和特別インタビュー・TOTO会長】...

【令和特別インタビュー・TOTO会長】新築依存からリモデルへ 需要を予測し事業を転換

TOTO
張本邦雄 会長
1370号 (2019/07/29発行) 20面、21面
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TOTO 張本邦雄 会長TOTO 張本邦雄 会長

《プロフィール》
昭和26年東京都生まれ。48年早稲田大学商学部卒業後、東陶機器(現TOTO)入社。販売推進グループマーケティング統括本部長などを経て平成15年取締役執行役員、17年取締役常務執行役員、18年取締役専務執行役員。21年代表取締役社長執行役員に就任。26年代表取締役会長兼取締役会議長に就任(現任)。

国内住設売り上げの7割を占める主力に

 令和時代に入った今、改めて平成の住宅市場を振り返ると、それはまさに新築からリフォームへ主役が逆転した時代だった。TOTOは26年前の平成5年に「リモデル宣言」を発表。地域の工務店やリフォーム店によるネットワークを構築し、以来全社を挙げてリフォーム需要を開拓してきた。今、同社の国内住設売り上げの約7割はリモデルによるもの。その基盤を築いたのが15代社長で現会長の張本邦雄氏だ。TOTOのリモデルの歴史と今後の展望について張本氏に聞いた。

【聞き手/本紙社長 加覧光次郎】

地域密着のリモデルクラブ発足(平成6年)

 バブル景気の崩壊と共に始まった平成時代。平成5年には細川連立内閣の発足により初の非自民政権が発足した。その年、TOTOでは江副茂社長(12代)が「リモデル宣言」を行い、リモデルに関する施策が矢継ぎ早に展開された。しかし、新築需要はなお150万~160万戸程度あり、社内におけるリモデルの位置づけはまだ確立していないのが実態だった。

――「リモデルクラブ」は加盟店数約600店でスタートしましたが、実は業界内では後発でしたね。しかも店舗は増えたけれど、当初の活動自体はさほど活発ではなかった。

 当時はINAXさん(現LIXIL)や松下電工さん(現パナソニック)が既にフランチャイズ展開していて、数百万円の大規模リフォームを手掛けていました。

一方、私どもは取り換えからスタートし小規模のリフォームが多かった。そこで、地域密着のネットワークであり、しかもフランチャイズではなく、いわゆる自由参加型のリモデルクラブを作ったことの意義は大きかったと思っています。中小工務店さんをいかに活性化してリフォームにつなげるかという起点が他社と全く違ったのが良かったと思います。とはいえ、「将来の市場の主役はリフォームになる」というトップの思いが十分に伝わっていなかった面もありました。リモデルクラブのロゴマーク。発足当時(左)と現在(右)

得意先を意識した流通改革に着手(平成8年)

 平成7年になると阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が起き、社会全体が不安感に包まれ始めた。バブル景気が崩壊してから4年が経ち、TOTOの販売網にも影響が出始めていた。特約店の先にある工務店、リフォーム店などの得意先を意識した構造改革が必至という状況の中、平成8年に営業主幹に就任した張本氏は「流通改革」に取り組んだ。

――この頃には右肩上がりの「作れば売れる」時代がいよいよ終えんし、競争激化により収益の悪化が顕著になってきました。

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