朝日リビング 則安盛久 社長
「本気で問題解決する集団に」
賃貸物件の入居率改善リフォームで全国トップの売上高を上げるのが朝日リビング(大阪府大阪市)だ。前期売上高は約102億円、年間7200件の工事を手がける。なぜこれだけの依頼が舞い込むのか。則安盛久社長は「単なる補修、保全ではなくて、賃貸オーナーのお客様の空室改善にいかに貢献できるかに焦点を置いているためだ」と話す。
【聞き手/編集長金子裕介】
「直す」は最終目的ではない
――本紙が行う「リフォーム売上ランキング」では賃貸リフォーム部門で1位でした。同業の企業は非常に多く、競争が厳しい中で何が差別化になっているのでしょうか。
重要なのは単に「直す」ということではなくて、オーナーさんの賃貸経営がうまくいくようにすることなんです。補修、保全は当然で、いかに空室が減るかといった点がポイント。ですから外壁を直して、防水して、エントランスも外構も変える、といったようなことだけでなく、そこに空室を改善できる「デザイン」を加えていくことが大事で、そこが強みだと言えます。
――新築の賃貸着工数は多少減少傾向にありますが、今でも年間40万戸あります。新築が次々建つ中で既存の賃貸物件の空室率を高めるリフォームというのはそう簡単ではないですよね。どんな方法でこの課題を解決しているのでしょうか。
私どもには「女子力企画室」というものがあります。これは女性プランナーのチーム。5~6年ほど前にスタートしたもので、現在は全国22拠点に30人います。
例えば、ある物件はファミリーをターゲットにした物件に改装しようと考えたとき、ベビーカーの乗り降りや出し入れがしやすいように改装すればどうだろうか、とデザインしていくわけです。そのためには「入居者像」を決めるための分析、そしてその方のライフスタイルが充実するためには何が必要かと考えます。
《課題》
・エントランス前に散乱している自転車。物件の第一印象を決める大事なエントランスの景観を損ねている。
《解決策》
・ポストと宅配ボックスを設置し、駐車場の一部にサイクルポートを新設。エントランス前の無秩序なスペースに機能を持たせることで課題を解決。
《デザインポイント》
・都会ながら緑の多い町並みに調和するよう、全体をナチュラルテイストでまとめ、木目やヘキサゴンタイルでアクセントをつける。
デザインはロジック
――ターゲットを明確にすること、これが最も重要とも言えますね。

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