イオグランツ 山中健司 社長
「ライブプランニング」始動
ビデオ会議システムZoomなどを使用した遠隔プレゼンの導入が広がる中、リアルでの対面プレゼンに逆戻りする企業もある。3DCADプレゼンソフト「Walk in home」や、360度パノラマ対応のビジュアルコミュニケーションツール「イオパンクラウド」を提供するイオグランツ(大阪府大阪市)の山中健司社長は、「優秀な人材とデジタルツールをうまく使えば、遠隔プレゼンは業務の大幅な効率化につなげられる」と話す。
リアルと遠隔のハイブリッド
――御社はCAD販売・サポートがメイン事業ですが、山中社長自身が施主に対しCADを使ったプレゼンをすることもあるそうですね。
サポートの一環として導入企業に研修をする機会が多いのですが、その中で、実際にお施主さん相手に私自身がプレゼンをするという「お手伝い」を20年以上にわたり行っています。20代の頃に、「実際にプレゼンができれば商品への説得力が増す」「建築の知識を深めたい」という想いから始めたのですが、今ではライフワークの一つになっています。先日は初めて、Zооmを使って遠隔地のお施主さんにプレゼンをしました。
――リアルとの違いは感じましたか?
まったくなかったですね。群馬県の工務店のお施主さんでしたが、当日は当社の名古屋支店からプレゼンをして、とても満足してもらえました。図面でわかりにくいところは画面上で説明しながら、ライブでプランニングを変更。お施主さんも「こんなにあたらしい対応をしてくれるなんて」と喜んでくれましたし、私自身も、リモートならではのメリットを肌で感じられました。
――どのようなメリットでしょう。
優秀な人材の有効活用です。設計士でも営業マンでも、優秀な人材により多くの案件をこなしてもらえれば、おのずと業績が伸びる。とはいえ、優秀な人材というのは各社にそう多くはいないですし、リアルでの対応となるとこなせる件数が限られます。先の群馬県の案件でも、対面プレゼンだと1日1現場が限界だったはず。それがリモートなら、1日3~4件と3倍、4倍の案件に対応できるようになります。建築業界は「背中を見せる」という意味でも、先輩と後輩など2人1組で動くケースが多いですが、若手だけを現場に行かせ、エースは事務所で遠隔プレゼンに参加するといった方法なら、効率的に件数も成果も上げられますし、いわゆる背中も見せられます。これはすごいメリットですよ。
――オンラインになることによって、時間や場所、人材の認識が変わってきますよね。移動時間を考えなければ提案数を倍増できます。実際のプレゼンの場には人が行った方がいいのか、オンラインだけで完結するのかはいかがでしょう。

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