全国的に職人不足が深刻化するなか、自社で積極的に職人を採用・育成し、新築やリフォーム工事を手掛けるのが匠創建(北海道帯広市)だ。在籍する職人の多くは新卒の未経験から育成。平均年齢は33歳前後という若さで定着率も高い。いかにしてそのような体制を築いてきたのか、阿部利典社長に聞いた。
「一生のお付き合い」に欠かせない体制づくり
──まず、創業されたきっかけを教えてください。
以前は地場の工務店で営業責任者をしていました。お客様とは契約や引き渡し時に「一生のお付き合いをしましょう」と良いことを言って約束するのに、引き渡し後は訪問機会が減り、不具合の修繕依頼を忘れて怒られるなどする。矛盾を感じ1997年に創業したのが「ホーム創建」(同市)です。そこでは、個人ではなく会社対お客様のお付き合いを一生できるような体制を目指したのです。
──そこで取り組んだことの1つが高いレベルの職人さんたちを集めることですね。
そうですね、棟数が増えるのと並行して大工を外部のマナーとかの社員研修に派遣したら、すごく生き生きと頑張ってくれたんです。大工って、わりとそういうのを嫌がるんだけれど、機会がなかっただけ。ただ、彼らが実際に行動できるよう教育するには、社員として雇わないとダメだなということも分かってきました。

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