MIMA 美馬功之介 社長
「5年以内に社員から社長を出したい」
昨年10月、安江工務店(愛知県名古屋市)と資本業務提携したMIMA(大阪府八尾市)。地域密着型営業で、中古リノベを軸に売上高9億円まで伸ばしてきた。黒字経営で社員は20人を超えるなど経営も順調な中、なぜM&Aを選んだのか。美馬功之介社長に真相を尋ねた。
【リポート/編集部 高田遥介】
きっかけはコロナ拡大
――安江工務店さんとのM&Aを聞いたときは驚きました。元々考えていたのですか。
いえ、全然考えていなかったです。以前からM&Aでうちのグループに入りませんかといった話は何社かありましたが、全て断ってきましたから。10月にいきなり発表したので、八尾市役所の人から「MIMAはなくなってしまうんですか」と聞かれました。
M&Aを考えたきっかけは、コロナウイルスの感染拡大です。私含めた幹部社員全員が50代以上となり、家族を持つ若い社員も増えている。コロナに関係なく、いつ誰がどうなるかわからないと考えたのです。100年企業を目指すと一昨年発表した以上、会社を伸ばしていかないといけません。そんな中、安江工務店さんからお話をいただきました。10年後を考えたら、強くするための理由として友好発展的なM&Aはいいなと。リフォーム、中古リノベの考えも似ており、我が社の魅力や強み、形を評価してくれました。
―― 10年後のことを考えると、後継者も考える必要が出てきますね。
私は自分の息子に会社を継がせるつもりはなく、5年以内に社員から社長を出したいと思っています。私どもの会社は社長が広告塔で、金融機関との付き合いも個人保証が中心。会社を大きく発展させるうえで、家族経営の個人企業から脱却したかったのもあります。
――M&Aが成立しましたが、社名も社長もそのままだと伺っています。
一番の決め手です。安江工務店さんからM&Aの話をいただいた際に、連合体方式で社名も社長もそのままでグループとしてお互いの強みを発展させていこうと言われました。昨年、法人化して30年を迎え、ずっと地域密着店でやっている。そこを崩さずに、八尾、東大阪で断トツの一番になりたいと思っていました。
しかし、他社さんからもお話をいただいたとき、ゆくゆくは社名がなくなる、会社がなくなると感じていた。それは絶対譲れないことでしたので、断ってきました。
社員に発表した時、そこまで動揺はなかったですね。MIMAの名前、社長が残ることと次のステージにランクアップできることから安心したのかなと思います。
安江工務店は全国各地に「連合体」を作っている
今年、新店舗出店を予定
――M&Aによるメリット、変化はすでに出ていますか。

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