セルコホーム 新本考 社長
カナダの輸入住宅、大型木造建築、リフォームなどの事業を手掛け、今期売上高110億円を見込むセルコホーム(宮城県仙台市)。4月1日に新たに代表取締役社長に就任した新本考氏は、これからビルダーが生き残っていくためには、新築以外の事業の柱を複数持ち、新しく店舗を出店するなどの攻めの姿勢が必要だと話す。特に大型建築物を木造で建てる事業を強化する。
【聞き手/編集長 金子裕介・編集部 山蔦和磨】
1年越しの社長就任
――コロナが長期化し、大変な時期での就任となりました。元々は別の会社に勤められていたかと思いますが、どのようなきっかけでセルコホームに入社したんですか。
私は以前、丸紅(東京都千代田区)に勤め、不動産建設部門で商業施設の開発・運営を手掛けていました。そのうちに、辞令で中国への出向が決まってしまって。中国勤務になると、5年は帰国できないと聞かされていたので悩んでいたところ、当時社長だった父より後継候補として呼び戻されたんです。そんなわけで、経営企画室室長兼取締役として2013年に弊社に入社しました。
父は、元々70歳になる去年に社長職を退き、経営を私に任せる予定だったらしいんです。ただ、コロナウイルスの影響で、日頃お世話になっている方々をお招きしての社長就任式開催が難しくなってしまったので、今年4月まで就任計画が伸びてしまったわけです。
――セルコホームの主力事業は新築。競争が厳しいマーケットの中で、カナダの輸入住宅で差別化を図り、地元宮城ではトップ級の着工戸数です。
はい、新築事業は年間70億円の売り上げで、直営店で年に350棟から400棟を手掛けています。2020年はFC加盟店を含めると700棟以上の施工実績がありましたね。
ただ、新築事業は業界全体的に縮小傾向にあり、すでに成長産業とは言えなくなってきています。そのため、選ばれる住宅を提供しなければいけません。具体的には、弊社の特徴でもあるカナダの輸入住宅のオシャレな外観や、耐震・断熱などで他社との差別化を図ることで、10人に1人に気に入ってもらえるような住宅を手掛けるようにしています。
定額制プラン好調
――ただ、いろいろなデザインや性能の家が世に出回っています。実際に、セルコホームで売れている家はどのような家ですか。
「THE HOME SPIRIT」が好調です。これは、カナダの輸入住宅ブランド「THE HOME」のサイズ定額制プランで、2020年10月より始めました。建物の大きさが同じであれば、間取りや玄関の位置を値段そのままで自由に変更できるというものです。30坪以上が対象で、例えば、50坪の施工なら1坪あたり29万8000円で提供しています。
またこのプランでは、頑丈で気密性の優れた2×6工法を採用しています。2×6でこの価格はかなり安く、他社では2倍以上はするのではないでしょうか。さらに、ファストビルドシステムを導入していまして、一般的に上棟までに12日間はかかるところを1日で完了させてしまう。あらかじめ建材を工場で組み立ててから搬入することで、施工期間を大きく短縮できるんです。
――一見、高そうな家が手頃に買える。しばらくは景気の先行きが不透明ですから、消費者ニーズにマッチしそうですね。
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