ミツフジ(京都府精華町)は、リストバンド型デバイスを手首に装着するだけで、熱中症リスクを色や振動によって通知する「hamon band(ハモンバンド)」を開発。特に建設業界で採用され、すでに累計3万本を販売する。「職人や子供たちをはじめ、多くの人を熱中症から守りたい」という強い使命感をもつ三寺歩社長に、製品開発の経緯や今後の展開について聞いた。
建設業中心に累計3万本販売
三寺歩社長
あまり知られていない熱中症の怖さ
── ハモンバンドを開発したきっかけを教えてください。
私どもは、電気を通すと心電図の情報が取れる導電性の繊維を使ったウェアを作っており、この技術を利用すると人の生体情報が取れるので、その特徴を生かした新たな商品を開発しようと、市場調査をしていました。すると、熱中症で年間1000人は亡くなっていることがわかったのです。
熱中症は、リスクを予測することができるのになぜ亡くなる人が多いのか、一般にあまり知られていません。中学生が部活の後に亡くなることがありましたが、原因となるのは深部体温の上昇で、外見から体調の変化が分かりにくいのです。見た目では分からない熱中症の怖さを、身に付けるもので解決できないかと思ったのが最初です。

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