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後藤木材、「東海木造住宅協会」で工務店支援を

後藤木材、「東海木造住宅協会」で工務店支援を

後藤木材
後藤栄一郎社長
1154号 (2015/01/27発行) 6面
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後藤木材 後藤栄一郎社長

後藤木材 後藤栄一郎社長

岐阜地盤に800社と取引

 設備建材や木材の販売事業を手掛ける後藤木材(岐阜県岐阜市)。 1889年から続く老舗で、現在の年商は86億円。流通事業に加えて、取引先の工務店に対する手厚いサポートが特徴だ。後藤栄一郎社長は「やれることはまだまだある。工務店のお手伝いに力を入れていきたい」と話す。

建築士がサポート

―― 後藤木材は地元岐阜に2カ所、愛知に1カ所の拠点があります。今、取引している工務店の数はどれくらいありますか。

 口座数で言うと800社ほどあります。そのうち地元の岐阜が7割、愛知、滋賀、三重などの岐阜以外は3割ですね。お取引先の規模としては新築を年間に10棟くらい受注する工務店さんが中心です。

―― 前期は86億円の売上高でした。内訳はどうですか。

 木材事業と設備建材事業がそれぞれ半々くらいです。年商についてはこれまで10%以上の伸びできたのですが、今年度は全体としては減収かなと。

―― 消費増税の反動で新築マーケットは厳しい。工務店経営も容易ではありませんね。後藤木材では流通事業だけでなく、工務店の経営サポートが充実しています。

 私どもの会社には一級建築士が2人いまして、工務店さんのお手伝いをさせていただいています。「サポートメニュー」というものを用意しているんですが、この中には長期優良住宅や認定低炭素住宅技術審査、長期優良化リフォーム、フラット35Sなどの支援をしています。それぞれに定価を決めて一枚のチラシにしてお渡ししています。

現場のきれいさを表彰

――工務店ネットワークである「東海木造住宅協会」の運営にも携わり、事業者支援を行っていますね。

 工務店150社が正会員として参加しているグループで、4年くらい前からやっています。メーカーさんにも賛助会員として50
社くらいに入ってもらっています。協会では「設計力」「営業力」「現場力」の3つを伸ばしていかないといけないね、と考え、さまざまな取り組みをしています。

―― 例えばどのような取り組みですか。

 「現場力」では、「K1(キレイワン)グランプリ」という企画をやっています。これは「現場をきれいにしましょう」とい うのが狙いで、工務店がお互いの現場を見せ合うんです。協会が決めた現場のきれいな基準を元にして、皆さんに採点してもらう。

 良い点、悪い点をフィードバックしていくので、現場の改善につながります。前回は20現場くらいで行いました。優勝すると、現場監督さんにスポットライトを充てて表彰し、賞金も出ます。

―― 支援面で新たに始めることはありますか。

 今、工務店を回っていると「人材いませんか」とよく言われます。とにかく職人に関する質問が多くて、いろいろ聞いてみますと、なかなか定着しないようなんです。そのために大工の人材確保、育成に対する社内体制整備のための講習会というのもやっていきます。例えば新人が入ったら、協会の方で教育を担当しますよ、といったサポートをしていこうと思います。

――さまざまなチャレンジをしていますね。

 最近は飛騨高山の家具会社に出資し、家具の開発もやっています。これらは工務店経由でユーザーさんに販売していくというものです。

バリアフリーに関心

―― 今後はリフォーム事業への取り組みも重要になってくるでしょう。

 やはり私もこれからはリフォームが増えていくのではないかと考えています。そのため今年は講習会に力を入れていく考えです。例えば、高齢化社会の今、「バリアフリー」の設計はますます重要になってきます。設計で重要なのは、単に滑らないとかではなくて、お客さんの病状に合わせてリフォームできるかということです。この訓練を私たちのモデル棟でやっています。

――イベントでの支援も行っていますね。

 リフォーム関連で言えば「夢リフォームフェア」というものをやっています。これは工務店さんが自分たちのお客さんを連れてきていただくイベントで、去年の3月に行ったときには工務店8社で、90組ほど来ました。今年は3回やりたいですね。

―― 今後の展開は。

 明確な数字はつかんでいませんが、感覚としてお客さんのリフォームは増えてきており、営業マンは忙しくしています。新築はマーケットは小さくなりながらも、岐阜もまだまだやることはある。例えば非住宅の木造も多くなってきているし、これからも新しいことをやっていきたい。

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