菊水化学工業 橘佳樹常務
総合塗料メーカーの菊水化学工業(愛知県名古屋市)は、耐久性が高く、従来品より価格を抑えたフッ素樹脂塗料を開発。リフォーム市場のカンフル剤として、フッ素塗料の普及に向けた啓発活動に本腰を入れる構えだ。「塗料への正しい理解を広め、市場に活気をもたらしたい」と橘佳樹常務は語る。
塗料への正しい理解を促す
――これからのリフォーム市場をどう見ていますか。
人口減少時代に突入した日本では今後、リフォーム市場の縮小が徐々に顕在化してくるのではと懸念を抱いています。リフォーム事業に関わる人たち、とりわけ地域の住宅を支える中小企業は、より付加価値の高い商材を取り扱うことで、しっかりと利益を獲得できるビジネス構造へと移行しなければ、明るい展望は開けてこないのではと見ています。
―― 塗料を取り巻く昨今の状況はいかがですか。
リフォーム市場における塗料は、潜在的な塗り替え需要を訪問販売業者が掘り起こす格好でビジネスが伸長し始め、その後、様々な業種からの参入が相次ぎました。ブランド力を背景としたハウスメーカーや地場のリフォーム会社など、その顔触れは様々で、「安心・安全」などをキーワードに市場は大きな盛り上がりを見せました。
―― 市場が盛り上がる一方で、新規参入が相次いだことによる弊害などはなかったのでしょうか。
もともと塗料は、非常に専門性の高い代物です。そのため、塗料に対する理解不足が様々な問題を引き起こし、一般の消費者にも正確な情報が提供されていないのが現状です。また、市場が盛り上がりを見せたことで、技術成熟度が低いベンチャー企業などが参入してきました。それにより、残念ながら塗り替えに対する不信感を助長する状況さえ発生してきています。

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