第26回(2017年度)マンションリフォームマネジャー試験学科試験問題【問題31~50・解答】
主催:(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
マンションリフォーム工事の専門資格、マンションリフォームマネジャー第26回試験が10月1日に全国5都市で実施された。マンションリフォームのニーズ増加に伴い、専門知識を持つ者が求められている。本試験に合格すると、マンションリフォーム・リノベーションなどの仕事の領域を広げることができる。これまでの合格者は延べ1万人。昨年の合格率は29.3%だった。今年度実施された学科試験問題(試験時間120分)と解答を紹介する。30問正解が合格の目安。来年度(10月第1日曜日を予定)に向けて挑戦してみよう。
※設計製図試験問題は省略
[注意事項]
●問題の正解は、すべて1つです。
●解答にあたり適用すべき法令等については、2017年4月1日現在において施
行されているものとします。
●問題中の「区分所有法」とは、「建物の区分所有等に関する法律」のことです。
●問題中の「標準管理規約」とは、「マンション標準管理規約」のことです。
●問題中の「マンション管理適正化法」とは、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」のことです。
●問題中の「住宅品質確保促進法」とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことです。
●解答にあたって、地方公共団体の条例は考慮しないこととします。
【問題31】リフォームの工事内容と材料施工に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.解体材はすべて産業廃棄物として指定されているため、その処分は法令に基づいて実施しなければならない。
2.浴室などの間仕切コンクリートブロックは基本的には共用部分であり、穴あけ、はつりの作業はみとめられない。
3.設備改修の場合、分岐点以降に工事用の仮設の給排水管および分電盤を設置する必要がある。
4.既製の市販住宅部品を用いる場合には、既存部分との納まりについて、現場ごとに臨機応変に対応することが必要である。
【問題32】リフォームの工事内容と材料施工に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽、その他これらに類する目的のために継続して使用する室をいう。
2.専有部分における床仕上げの変更を行う場合、管理規約等に違反しているところはないか確認する必要がある。
3.共用部分の劣化による住戸内部の損傷がみられる場合は、管理組合と打合せて、処置してもらう。
4.台所の仕上げは不燃材料としなければならない。
【問題33】リフォームの設計・施工に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.設計図書は発注者の意図に基づいて総合的にまとめられたもので、施工にかかわる詳細まで記載されている必要がある。
2.施工図の作成のための既存設備の接続状況等の調査では、必要に応じて、生活機能に支障のない範囲で既存部分を解体して調査を行うのが望ましい。
3.施工段階で設計図どおりに実施できない場合があるため、各職種別作業に必要な墨出しを行った。
4.職種別作業工程を明示した実施工程表を作成することは、短期間に多職種の複合作業となるリフォーム工事を円滑に行う上で有効である。
【問題34】一般居室、水回り等のリフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.中間検査は、発注者、設計監理者立ち合いのもとで行う。
2.壁に結露によるかびの発生がみられたので、施工時に表面および躯体との空隙を防かび剤により処理した。
3.不要になったスリーブ穴を塞ぐ際に、スリーブキャップを用いることは、遮音上の問題になる場合がある。
4.一部既存部分を活用するため、美観に配慮して取合い部のパテ処理を行った。
【問題35】台所回りのリフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.耐力壁か間仕切壁(非耐力壁)かの判別を、建設時の設計図書をみて判断した。
2.点検口から天井工法を確認した上で、戸棚を天井吊りとした。
3.既存の排水管の立ち上がり位置に対して直線的に配管し、1/50 の排水勾配が取れる範囲でシンクの位置を移動した。
4.作業性、メンテナンスを第一に考えて、ワークトップを人工大理石にした。
【問題36】浴室・トイレ回りのリフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.在来工法による浴室の場合、現状で漏水していなくても20年以上経過している場合は、防水工事をやり直すことが望ましい。
2.ハーフパネルタイプの浴室で、壁の亀裂が見られなかったので、解体時の騒音を考慮して新規のタイルを既存の構造壁直貼りタイルの上に仕上げた。
3.トイレが床排水の場合、スラブ下に貫通されていると、便器の位置の変更は難しい。
4.望ましい大便器の条件として、洗浄水量ができるだけ少ないことや、水封ができるだけ浅いことなどがあげられる。
【問題37】玄関・収納のリフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.玄関扉は共用部分であるため改変することはできないが、内側の塗り替えは可能である。
2.収納スペースは、特注寸法でオーダーするよりも、システム収納家具にしたほうが納まりがよく収納量も増大する。
3.外壁面の室内側をそのまま収納にするため、結露対策として断熱材を直貼りした。
4.家具類は、大きさ仕様など内容によっては相当の製作期間を要するので、余裕を見て発注する。
【問題38】床・壁・天井・建具のリフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.重量床衝撃音レベル低減量については、ΔLH等級が4段階で表示され、等級の数字が大きいほど床衝撃音低減性能が高い。
2.最上階の断熱対策として、天井高に余裕がないため直天井として、断熱材で裏打ちした複合ボードを用いた。
3.室間の通気のために、扉下に10㎜程度の隙間を設けることは効果がある。
4.ビニルクロスは耐熱性に優れ、色・柄・デザインが豊富であるため、キッチン回りなどに適した壁仕上材である。
【問題39】性能向上リフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高齢者対応リフォームにおいて、排水勾配をとるため床に段差が生じた部分に、照明をつけて明確に認識させる工夫を行った。
2.トイレの排泄動作に介助が必要だったので、トイレの便器横に介助者スペースを設けた。
3.窓の断熱性能を向上させるために、専用のアタッチメントを使って既存アルミサッシの単板ガラスの溝に複層ガラスを取り付
ける場合は、専用部分の工事として行うことができる。
4.階段室型住棟は、中廊下型と比べて比較的通風がよい計画となっている。
【問題40】性能向上リフォームに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.告示対象外建材の塗料や接着剤は、シックハウス対策に関して、内装仕上げの使用制限を受ける。
2.開放系暖房器具は、二酸化炭素や窒素酸化物などを排出することにより、空気を汚染し、大量の水蒸気を発生する。
3.換気経路は、トイレなどいわゆるダーティー・ゾーンとよばれる部分から排出されるように計画することが望ましい。
4.地震対策に関して、ポール式器具(つっぱり棒)は、家具と天井との間が大きく空いている場合には効果がない。
この記事の関連キーワード : マンション マンションリフォームマネジャー試験 リノベーション 住宅リフォーム・紛争処理支援センター

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
2025/06/20掲載
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1652号(2025/06/09発行)4面