自分の家は自分で点検できるように―。NPO法人住宅長期保証支援センター(大阪府大阪市)では、自宅の診断方法をエンドユーザーに啓蒙している。「住まいのお手入れ」という冊子を作り、点検の重要性を広めている。
築後35年間のリフォーム時期も解説
「お客さん自らがメンテナンスしようということを啓発したい」。こう話すのは同センターの鈴森素子専務理事。同センターは「住宅メンテナンス診断士」「住宅インスペクター」という建物診断関連の資格認定や、住宅履歴管理システム「いえかるて」の普及などを行っている団体。
継続的なメンテナンスによって、住宅の長寿命を促進させることが会の目的。中でも最近力を入れているのが、消費者向けに住宅のお手入れ方法を解説するセミナーだ。
左に掲載した「住まいのお手入れ」冊子は同センターが消費者向けに配布している資料。ユニークなのは、屋根、雨どい、軒裏など30部位を自分で点検できるチェック表が含まれていること。
自宅を自ら診断する「点検チェックリスト」。外壁、内装、建具、設備など約30部位の診断項目がある。
その他、「メンテナンスプラン」という、5年ごとにどの部位が、どのような劣化が起こるのかが分かるシートもある。例えば外壁であれば、5年目には剥がれ、クラック、浮きなどを点検する必要があると示され、15年前後では塗り替えが必要になる。
60~80万円という予算の目安まで記されており、新築から築35年まで、これからメンテナンスにどれだけ費用がかかるのかが一目瞭然だ。
「メンテナンスプラン」。築35年目までの点検の時期やリフォームにかかる費用などが一覧になっている。
鈴森専務はこう話す。「不具合が見つかり早期の手当てができれば、費用も安くなります。また、知らない点検業者が来たとしても、自分で家の状態が分かっていれば安心。手入れをしていくことで家に愛着が湧き、住みごたえを感じられるようなります。家がきれいに管理されていれば、中古住宅としても流通しやすいでしょう」。
同センターには150社ほどの工務店が「点検登録店」として参加し、プロも点検をサポートしている。

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