建設現場では、セメントや水性塗料が含まれる濁水の処理が手間となっている。
産業排水処理や凝集剤の開発を行っているネクストリー(富山県富山市)では、濁水を透明な水と汚泥に分離する薬剤「アクアネイチャープラス」を販売し、塗装会社や左官屋の排水処理の手間を削減する。
「アクアネイチャープラス」投入前と攪拌後
「これまで濁水が発生した場合、現場の敷地内に穴を掘って流すか、そのまま側溝に流すなどしていたかと思います。しかし環境意識の高まりから、今まで通りでは難しい。凝集剤という存在を知らず、どう処理したらいいか分からず、仕方なく流していた背景があると思います」と話すのは、藤井喜大代表だ。
アクアネイチャープラスは、セメントや水性塗料が混ざった濁水を、短時間で透明な水と汚泥に分離する凝集剤。濁水に薬剤を投入し約3分攪拌すると、細かい粒子が素早く凝集して塊を形成する。塊は攪拌を停止して約5分で沈降し、透明な水と分離される。
一般的に、水のpH値が中性になっていて透明であれば下水道に流しても問題ないとされている。そのため、分離した水は下水道に流し、汚泥は産業廃棄物として処理ができる。
リフォーム現場で想定される使用シーンとしては、塗装やモルタルを使い、刷毛やこてなど道具を洗ったとき。外壁に高圧洗浄をかけ、はく離した細かい固形物が水に混ざっているときなど。
価格は3キロで4200円(税別)。使用量は濁水に対して0.1%で、例えば10リットルに対して10グラム程度。同社ECサイトまたはモノタロウで購入できる。
「出荷量は一昨年と比較して150%増となり、元請会社や施工会社に徐々に浸透してきていると感じています」(藤井代表)
藤井喜大代表

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