四季のリフォーム・冬編 ≪雪害対策≫
~雪の重みに耐える・溶かす・流す~
近年は豪雪地帯以外でも記録的な積雪が起きる。2014年2月の豪雪で、関東甲信越に大きな被害が出たことは記憶に新しい。豪雪地以外でも油断はできない。本格的に寒くなる前に、雪対策のリフォーム提案をしよう。
■2014年2月豪雪被害の一部
《東京都千代田区の積雪27cm》
住宅半壊1棟 住宅一部破損6棟
《山梨県 河口湖の積雪143cm》
住宅全壊13棟 住宅半壊32棟 住宅一部破損283棟
積雪2メートルに耐えるカーポート
積もる雪は時間とともに重くなり、カーポートを壊すこともある。
10年ほど前までのカーポートはアクリルやポリカーボネートの屋根が多く、軽いが割れやすい欠点があった。劣化した屋根は特に壊れやすい。カーポートの耐久性は10~20年程度なので、10年を経過しているなら、豪雪対応のものへの交換を提案するとよいだろう。スチールの折板屋根で強度を増し、200cmの積雪まで耐荷重のあるカーポートも登場している。
【カーポート】
耐荷重性能は積雪100cm・150cm・200cm相当から選べるカーポート
写真提供/YKK AP
雪止めで屋根から雪を落とさない
住宅の屋根に積もった雪は、塊で落ちてくる。周辺のものを壊したり、通行人にケガをさせたりする危険もある。
屋根に雪止めをつければ、落下を防げる。軒近くの屋根材に取り付け、大量の雪が滑り落ちないようにする。
雪止めは雪下ろしをしない地域に向いている。大雪が降ったことがある地域では、積極的に取り入れたい。屋根に後付けできるものや、シンプルなデザインも増えているので、提案しやすい。
【雪止め】
シンプルなデザインで、屋根の上で目立たない雪止め。丈夫で錆びないガルバリウム製
写真提供/タニタハウジングウェア
雪止めは、簡単な施工で屋根に設置できる。隣家と接している都心部ではぜひ前向きに検討したい
写真提供/タニタハウジングウェア
雪が積もる地域では、屋根の上で雪を溶かす融雪装置が役に立つ。
たとえば、太陽光発電パネル用のフィルムなら、大掛かりな工事が不要だ。スイッチを入れるだけの簡単操作で雪を溶かす。雪下しをしなくても太陽光発電が使え、雪が落ちる危険が少ない。
【融雪フィルム】
薄型の融雪装置。雪が溶けて、太陽光パネルが使えるようになる
写真提供/カンキョー
重みで壊れない雨とい
屋根の上で融雪したら、排水しなくてはならない。しかし、雪の重みは雨といを壊すこともある。
カバーのついた雨といなら、積雪の重みが雨といにかかるのを防ぐ。雨といに雪がたまらず、損傷を防ぎながら、排水ができる。
強度があるので、雨といをつける習慣のなかった豪雪地帯でも採用されている。
【雨といカバー】
雨といに落ち葉や雪を入れないカバー。積雪150cm相当の重みに耐える
画像提供/パナソニック
雪を中に入れないようカバーのついた雨とい
写真提供/タニタハウジングウェア

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