TOTOが節水便器を発売して40年。以来、TOTOの節水便器は日々進化を遂げている。節水しながら洗浄力も向上させる鍵を握るのが"洗浄エンジン"だ。洗浄エンジンの進化によって実現した同社の最新型トイレの提案ポイントを紹介する。
1976年発売の節水消音便器CSシリーズ(左)と2015年発売のネオレスト(右)
ボウル洗浄機能進化
TOTOでは、便器洗浄の根幹を"洗浄エンジン"と呼び、少ない水で効率よく汚物を洗い流す洗浄エンジンの開発を進めている。
自動車のエンジンが燃費向上を図るように、洗浄エンジン、すなわち汚物を受けるボウルと水を溜めるトラップの形状(機能)を進化させることで、便器を洗い流す水のエネルギーを効果的に利用できるようになる。
この洗浄エンジンの代表的機能である「ボウル洗浄機能」は、ボウルに付着した汚物を洗い流す機能だ。
古いトイレでは、タンクの水が便器フチ(リム)の通水路を通り、リムの水出し穴から水が落ちて便器を洗浄する。「ボックスリム」と呼ばれるタイプが長年主流だったが、フチの裏側の掃除がしにくく、尿石、カビなどの汚れが慢性的に付着する問題を抱えていた。
この問題を解決したのが、2002年に発売された「フチなしトルネード」だ。フチがなくなったことで、手入れの死角が小さくなって清掃性が向上。便器洗浄は、フチにある吐水口から水が出て強力な旋回流をつくる「トルネード洗浄」に進化した。
さらに、ボウル表面は、ナノテクノロジー(超表面平滑)を使った「セフィオンテクト」。従来の釉薬の上に、純度の高いガラス層を焼き付けたことで陶器表面に凹凸がなく、カビや汚れから長期にわたり陶器の美しさを守り続けることができる。
ボウル洗浄機能の進化
フチの通水路に空いた多数の水出し穴より水を落下させ洗浄(左)と旋回水流で全体をぐるりと洗浄。
隅々まで洗浄でき、洗浄音も静か

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