レンジフードメーカーのHEJ(滋賀県甲賀市)とキッチンのデザインを手掛けるSTUDIO KAZ(東京都江東区)、リフォーム産業新聞社(東京都中央区)は3社でレンジフードを共同開発。「レンジフードの存在感を消す」をテーマにした3機種を商品化した。8月6、7日の2日間、東京ビッグサイトで開催される「リフォーム産業フェア」で展示する。
存在感を消すがテーマ
プラットフォームである「Nasco」を使った一例
HEJは、学生がコンテスト形式でレンジフードデザインNo1を決め、最優秀賞を商品化する「R-1グランプリ」も開催するメーカー。今回、新たなレンジフードの可能性を探り、商品によってリフォームの潜在需要を掘り起こすため、キッチンプロデュースなどを行うSTUDIO KAZ、リフォーム産業新聞社と連携し、新商品を開発した。
魅力的な住宅設備や建材があれば、「リフォームしたい」「この商品なら変えてみたい」といった潜在需要の掘り起こしにつながるとの考えのもと、企画がスタート。レンジフードの存在感を消すというテーマをベースに商品開発を推進した。
デザインを担当するSTUDIO KAZの和田浩一社長は「基本的にレンジフードの内側にあるファンは同じ。ファンさえしっかりと作っておけば、外側はどのようにも作れます。実は簡単にできるのに、誰も気づいていませんでした。そこを気づかせてくれるのが今回の商品。リフォームの世界ではかなり意義があること」と話す。
新商品のベースとなるのは、機器部分だけで構築されたプラットフォームレンジフードだ。フード部分をなくしたことが特徴で、採用者の自由な発想の数だけ、利用方法を膨らますことができる。例えば、戸棚の中に納まっているようにみせたり、壁で覆って見えなくしたりするなど、一般的には視界に入るレンジフードを工夫次第で隠すことが可能となった。スイッチは底面に配置することで正面から見えないようにしてインテリア性を高めた。また、メンテナンス面も重視し、手入れ箇所はすべてワンタッチで着脱可能になっている。
HEJの奥田在弘課長は「レンジフードをインテリアの一部にすることで、顧客の希望するキッチンのデザインに合わせられます」と話す。
シンプルな形状の「Recta」 。建築や家具の一部のようにできる
家具化できる商品
新商品の1つ目は、このプラットフォームレンジフードそのもので商品名は「Nasco」。和田社長は「家具化できるレンジフード。例えば、壁を作ると、マンションの梁の一部にレンジフードが埋まっているような空間を生み出せる」と話す。サイズは横600×奥行き620×高さ380(最小)ミリ。価格は32万円(税別)だ。
2つめは、シンプルな形状の「Recta」。これまでキューブ型はハイエンドかローエンドしかなかったが、本商品はその中間に位置する。本商品はワンタッチで取り外しができ、手入れがしやすい点が特徴。サイズは横750×奥行き320×高さ300ミリ。定価は37万円(税別)だ。
「キューブにすることで吊り戸棚のような形状になります。建築の一部、または家具の一部として作れるのがキューブ型の魅力です」(和田社長)
薄さの限界に挑戦した「Piatta」
幕板を最大限薄く
3つめは、幅広で薄さの限界に挑戦した「Piatta」。外見はキューブ型と真逆で、レンジフードの幕板部分を薄くすることで存在感を抑えている。サイズは横1200×奥行き6300×幕板の薄さ19㎜。定価は46万円(税別)だ。
「RectaとPiattaは、プラットフォームのNascoを使った商品。そのまま購入するのもいいですが、これを機に自分で作るレンジフードという文化が広がってほしい」(和田社長)
奥田課長は「これまでやってこなかったレンジフードのオーダーメイド。多くの事業者に見てもらい、プラットフォームキッチンの可能性を感じてもらいたい」と期待を込める。
- HEJ
奥田在弘課長 - STUDIO KAZ
和田浩一社長
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