内装建材のウェブ販売やリフォーム・リノベーション事業を展開するTOOLBOX(東京都新宿区)は、空間づくりの実験「studyroom」プロジェクトの第1弾として「studyroom#1」を開始した。リノベーションでもスケルトンにしない、これまでにない取り組み。自社保有の物件だからこそできる、リノベーション手法の新たな可能性を模索した。
改修しすぎないリフォーム実現
I型キッチン分解し、L字型に改修
キッチンをI字からL字にしたが、元々のキッチンを切って張っただけというオリジナルだ(撮影:中村 晃)
キッチンを再利用
同社が「studyroom」を始めたのは、顧客の物件では実施できない、斬新なリフォーム・リノベーション手法を実験するための場を求めていたことが背景にある。今回、プロジェクトの開始にあたり築57年、2LDKのRC造りの物件を取得。玄関から入ってすぐに階段、上ると住戸が見えるメゾネットタイプだ。自社の設計施工チームがアイデアを出し、まだ確立されていない職人技術を積極的に試行しながら工事を進めた。
既存のステンレスの天板を研磨しマットな仕上げに
一杉伊織執行役員は「ここ20年ぐらいでフルリノベーションを前提とした内装が一般化していきました。一方で、『部分的に改装を加えたい』というような要望があっても、都市部では、フルリノベーションを前提とした事業者が多いのが実情。物件価格や建築費が高騰している昨今、スケルトンからのフルリノベーションではなく、部分的なリフォームで空間をどこまで変えることができるのか、その手立てを確立するためのチャレンジが必要だと考えました」と経緯について話す。
「studyroom#1」では1〜2人暮らしを想定。コンセプトに掲げたのは「ReMake(リメイク)」。既存の設備や素材を生かすことを前提に、必要なところだけに焦点を当てて改修を行った。
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