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「タタミ1畳」で設置できるホームEV登場

「タタミ1畳」で設置できるホームEV登場

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 高齢者の負担を減らすだけではなく、日常の生活も助けてくれるホームエレベーター。便利なアイテムだが、リフォームでの設置にはスペースの問題など、導入の障壁も多かった。その問題を解決する省スペース設計の商品が登場している。

タタミ1畳サイズの押し入れに納まる省スペース
タタミ1畳サイズの押し入れに納まる省スペース

年間の販売台数は5500台

 ホームエレベーター全体の2015年度の出荷台数は5500台。年間出荷台数が1万台に届くかという2005年以降に、マンションエレベーターの事故や耐震偽装問題、リーマンショックがあり下降に転じた。だが、ここ5年、出荷台数は回復に向かっている。

 高齢者向けの介護商品と思われがちだが、設置の理由1位は「将来に備えて」37%。2位に「高齢者がいるので」33%。次いで「荷物を運ぶのに便利」が26%と続く(左上表参照)。高齢者や体の不自由な人だけではなく、家族の誰もが便利に使えるアイテムとして認知されてきている。一方で、リフォームでの設置を諦めるケースがある。その理由の多くが「上下階に空きスペースがなく、設置プランが作れない」や、「工事が大変、基礎をはつりたくない」などの問題で諦めるケースだ(下表参照)。

設置の理由・設置を諦める理由

設置スペースの問題を解消

 この設置の問題を解消する商品をパナソニックホームエレベーター(大阪府門真市)が発売した。

 今年6月に発売した「1608ジョイモダンS200V」は、タタミ1畳のスペースでも設置可能なホームエレベーター。間口1800mm×奥行き900mmでも収まるので、押し入れなどのスペースを有効活用して設置が可能になり、上下階の設置スペースをプランニングしやすくなった。省スペース設計だが、2人乗りで簡易車椅子も載せることが充分にできる。

 従来リフォームでの設置では、ホームエレベーターを昇降させる機器を設置するため必要なピット寸法があり、これを確保するためには住宅の基礎をはつり、掘り下げる必要があった。

 しかしこの商品では、昇降をさせるのに必要な油圧機器類をスリム化、従来より32%コンパクトになった。機器のレイアウトも横置きから縦置きに改良することで、従来のピット寸法550mmから200mmに大幅削減。これにより、基礎の工事が大幅に削減され、通常12日前後かかる基礎工事を3日間短縮することに成功。工事に伴う費用も25%削減している。

 消費電力も従来品と比べ25%削減。1日20回の仕様で電気代はわずか月額440円の省エネ設計だ。約25%のCO2削減も実現して環境にも配慮した。

 「リフォーム向けに設置がしやすくなりました。新商品でリフォームでの売り上げの倍増を狙います」(パナソニックホームエレベーター 高野忠昭社長)

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