リフォーム営業にとって、意思決定を大きく左右する主婦の意見。ベネッセコーポレーション(岡山県岡山市)の主婦向け生活情報誌「サンキュ!」のブランドマーケティング室、山本沙織室長に、今どき主婦のインサイト(購買意欲のツボ)を聞いた。
表紙を飾るのは、読者の憧れ「カリスマ主婦」
良い物買い、貯金もする
「サンキュ!」は1996年に創刊。2015年下半期の発行部数は約26万部。ブログやSNSでファンを持つカリスマ主婦への取材や、読者にインスタントカメラを配布して家中の写真を集める「カメラまき」と呼ばれる手法で、主婦のインサイトをウォッチし続けている。
一昔前と今どき主婦の違いは何か。山本室長は「2000年から2010年まで続いた節約ブーム。今は関心が低い」と指摘する。
「当時はチラシを見比べて一番安いスーパーを探したり、料理を小分けに冷凍するテクニックがもてはやされました。しかし今では共働きが増え、主婦にはそんなことをしている時間がない」(山本室長)
またバブルを経験しておらず、生まれたときから不況であったため、将来に対する不安も大きい。リーマンショックや震災が、子育てや老後の不安に拍車を掛けた。そのため、目先の節約術より、長期のマネープランなど、一生使える知識を求めている。
消費行動も変化している。安さ、流行で選ぶのではなく、長く使える「本物志向」が今の主流だ。
「以前は、節約になる百均やファストファッションがはやりました。しかし家の中を見てみると、必要のない安物ばかり。当誌で『豊かに暮らして1000万円貯める』という特集が受けたように、高くても良い家具を買う、というように変化しています」( 山本室長)
リフォームでも生涯に渡る資金計画などの提案は、主婦の共感を呼びそうだ。
結論だけ教えて!
このような今どき主婦のインサイトをつかむコツは何か。キーワードの1つ目は、「価値観の提案」。前述の通り、本当に必要なものであれば、高いお金を出しても買いたい。ただ何が必要か、何が好きか、分からない主婦も多い。
「子供と一緒に結婚記念日にウェディングを挙げる、マラソンに挑戦するなど、やりたいことの気づきを与える企画は反響が大きい。またSNSなどでファンを集める、半歩先を行くカリスマ主婦を紹介する企画もウケています」(同室長)
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