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コープハウジングひろしま、DX推進で残業時間の25%削減を実現

コープハウジングひろしま、DX推進で残業時間の25%削減を実現

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コープハウジングひろしま

リフォーム業と郵便局の営繕事業を請け負うコープハウジングひろしま(広島県広島市)は、1995年に生協ひろしまの子会社として設立し、30年間で約4万件以上の工事を請け負ってきた。約30人の社員で県内のほぼ全域を網羅し、前期のリフォーム事業売上高は10億600万円。同社はクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」の活用により情報を一元化し、大幅な業務効率化を実現した。ANDPAD活用推進を担当した営業支援担当主任の木原清孝氏、福山営業所工務担当の中野高之氏、同経理担当の松本理枝氏に話を聞いた。

コープハウジングひろしまの木原清孝主任(左)、中野高之氏(右)コープハウジングひろしまの木原清孝主任(左)、中野高之氏(右)

まずは触れてもらうことからDXを推進

同社では以前より「ANDPAD」を導入していたものの、社内全体での活用は進まない状態が続いていた。

当時は厳密な活用ルールがなく、顧客情報や施工写真の保存場所もスタッフそれぞれであった。連絡方法も電話やメール、ファックスと人によって違うため、適切に情報の集積ができていなかった。

同社では年配の従業員も多く、今後定年退職が増えていく。この状態では業務のナレッジが溜まっていかない。長い目で見た時に、引き継ぎが難航してしまう。そんな状況を改善しようと、ANDPADを活用したDX推進を任されたのが木原清孝氏であった。

「ANDPADを社内に浸透させるための第一歩として、ANDPADに触れてもらうことが大切と考え、電話を受けた事務スタッフが案件を作成して各担当者を招待し、ANDPAD上でやりとりしていく体制を敷きました。また、電話やメール、ファックスで行っていた社内外の連絡をANDPADチャットで統一しました。協力会社にも導入してもらったのですが、彼らも担当者によって連絡手段が違うのは不便だったようで、主要な営業や職人さんが率先して使って便利さに気づいてくれました。そこから一気に広まりました」(木原氏) 福山営業所工務担当の中野高之氏は、「私はあまりパソコンが得意ではなかったのですが、絶対に覚えるんだという気持ちで食らいつきました。理解し始めるとANDPADを使った方が効率的だと実感しています。頑張って良かったと思います」(中野氏)と導入当時を振り返る。

パソコン作業に食らいついて良かった語る工務担当の中野高之氏導入当初を振り返る福山営業所工務担当の中野高之氏

同経理担当の松本理枝氏は実務面において、「案件ごとにチャットの内容が残るのが良いですね。多くなるとどの工事か分からなくなるので、とてもありがたいです。案件名は似た名前もありますし、同時に違う工事もあるので、区分けがとても楽になりました」(松本氏)と業務の変化を実感している。

前年比平均で残業時間の25%削減を実現

同社ではその後、「ANDPAD引合粗利管理」の運用に取り組んだ。「ANDPAD引合粗利管理」は、顧客管理から粗利・原価管理まで、経営を支える情報をひとつに集約できる。それまで使っていたシステムが不調な上に出先では作業ができず、クラウド型でないため情報が会社内で共有できない。そこでANDPAD引合粗利管理への切り替えに取り組んだ。「私は元々営業をやっていたのですが、移動時間が多い上に事務所に戻らないとできない事務作業も多い。営業支援としてDX推進を任された時、この部分を改善したいなと思っていました。システムの移行は簡単にはいかなかったのですが、1年かけて切り替えを行うことができました。移行に関しては、アンドパッドからのサポート体制も非常にありがたかったです。営繕事業とリフォーム事業で業務フローが違うのですが、事業部に沿って使いやすい環境にしてくれました。」(木原氏)

ANDPADに移行したことで、スムーズな情報の一元化と共有、業務効率化に大きな成果をもたらした。

案件や見積もりの確認が出先でも可能になったほか、売上の処理に関しても、以前は各担当者が案件1件につき紙を3枚印刷し、本部に提出・承認する必要があり、アナログ業務な上に月末に作業が集中していた。導入後はそれもANDPAD上で完結するようになった。このような作業の負担減により、2025年上期累計での残業時間は前年比平均25%の削減となった。これはスタッフ1人あたり毎月約6.4時間の削減、全社では毎月140時間以上の削減に相当する。

ANDPADに情報を移行したことで、2025年上期の累計残業時間は前年比平均で25%削減したANDPADでの一元管理体制により、2025年上期の累計残業時間は前年比平均で25%削減した

「ANDPADの活用に関して、各営業所に肝になってくれる人がいます。彼らが導入をスムーズに波及させてくれました。自分ひとりでは、到底全員をサポートすることはできませんでした。DXはツールを入れたら終わりではなくて、コミュニケーションがないと進まないと思います。ずばり、『DXは慣れであり、DXはコミュニケーション』だと実感しました」(木原氏)

後に続く若い社員のためにも、下地をANDPADで整えたい

同社では、ANDPADに蓄積されたデータを自動で集計し、ダッシュボードでわかりやすく可視化する「ANDPAD Analytics」も積極的に活用している。経営層はこれまで、成約に至る強みと弱みを把握できていなかった。

たとえば、案件数は多いが売上は飛びぬけて高いわけではない営業所があった場合、従来であれば担当者や営業所に問題があると考えていた。しかし、ANDPAD Analyticsを用いて問い合わせの種類や件数、受注単価といった総合的な傾向を分析すると、単価が低い案件の問い合わせが多い地域であることがわかったという。

こういった蓄積されたデータを活用し、今後担当者の能力とエリア特性を分けて考えることで、よりリアルな現状分析をしていく。また、問い合わせ状況もすぐに把握できるため、チラシ配布などの広報戦略にも活用できている。

DX推進を任された木原清孝氏は次世代を担う若者への思いを熱く語るANDPAD導入を担当した木原清孝氏は次世代を担う若者への思いを熱く語る

「経営者からは見えにくい、数字の裏にある現場の案件に対する物理的コストを可視化しないと、それぞれの立場で無理解や齟齬が起きやすくなります。人手不足も深刻で、デジタルで生産性が上がる時代なので、ANDPADを活用して、そのあたりの環境を整えていきたいと思っています。若手を辞めさせたくない、成長を全面的にサポートしたい、後に続く若い人の下地を整えたいというのが、ここまでの一貫した原動力です」(木原氏)

同社はDXをさらに推進し、無駄な業務の削減を目指す。生まれた時間で「性能向上リノベーション」にも対応できるよう、断熱に対する社員教育にも力を入れていく。2026年度の目標として、性能向上リノベを施した中古物件の販売、中古物件の購入と性能向上リノベーションによる受注を掲げる。

問い合わせ先

アンドパッド ロゴ株式会社アンドパッド
(東京都港区)
TEL: 03-6831-4551

商品紹介

「ANDPAD」は現場の効率化から経営改善まで一元管理できるシェアNo.1※クラウド型建設プロジェクト管理サービスです。2016年に提供を開始し、直感的で使いやすさにこだわった開発と導入・活用への徹底したサポートで、利用社数23.3万社、ユーザー数68.4万人を超えています。国土交通省のNETIS (新技術情報提供システム) では「令和6年度推奨技術」に選定されています。

※『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート2025年12月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)

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