≪第12回 広島・岡山エリア≫
広島県と岡山県の有力リフォーム会社はどこか―――。全国のリフォーム会社を調査する本企画。トップはマエダハウジング(広島県安芸郡)の15億8000万円。岡山県は安藤嘉助商店(倉敷市)が10億9000万円で首位となっている。
不動産手掛ける専業店多数
まず両県のトップ企業から見ていく。
広島県のマエダハウジングは、県内に7拠点展開するリフォーム会社だ。創業時は総合リフォーム店だったが、近年は中古物件の買取店「不動産いちば」や水まわり店「リフレ」、といった専門店を展開している。
最新の取り組みは昨年の11月。「mame deco」を移転オープンした。これは家具雑貨、DIY商品を販売するショップで、リフォーム相談スペースも用意。インテリア品の購入をきっかけとした改修需要の掘り起こしを狙う。
一方、岡山県ナンバーワンの安藤嘉助商店は、県内に3拠点を展開。年間工事件数が約3000件あり、大半が50万円以下の小工事。定期的に配布するチラシでは小工事のメニュー表を掲載。価格を分かりやすくしていることから、OB新規問わず安心して相談できるようにする狙いがある。
近年は客単価向上のために大型リフォーム受注も強化。2015年に出店した倉敷店は空間展示に重点を置き、和、洋など様々なデザインを体感できるようにしている。
両社とも県内創業のリフォーム専業店だ。さらに、展開する店舗が県内に集中させている点でも共通している。
《広島県》
【リフォーム】
マエダハウジング(安芸郡)
県内に7拠点展開するリフォーム会社。総合リフォーム店としてスタートしたものの、近年は中古物件の買取専門店「不動産いちば」や水まわり専門店「リフレ」、そして昨年の11月には「mame deco」という、家具雑貨、DIY商品を販売するショップを移転オープンするなど、多方面にビジネスモデルを展開している。
◎リフォーム売上高 : 15.8億円
コープハウジングひろしま(広島市)
広島県内にサービスを提供する生協系リフォーム会社。4拠点を展開する。現在同社は不動産事業を強化。ショールームに売却物件の資料を用意し、来場者が自由に閲覧できるようにしている。狙いは若年層との接点づくり。中古住宅の購入に伴うリフォームのワンストップサービスを展開することで、20~30代の1時取得層の取り込みを図る。
◎リフォーム売上高 : 11.0億円
住宅工房創(東広島市)
県内に展開する地場ビルダー、創建ホームグループのリフォーム会社。屋号は「リフォームウィズ」。5拠点を展開する。注文住宅で培ったグループのノウハウを生かして大型リフォームに注力している。
◎リフォーム売上高 : 6.9億円
オオサワ創研(呉市)
リフォームと新築、不動産といった住宅事業を総合的に展開する。水まわり専門店「すいせん工房」が同社成長の原動力になっている。
◎リフォーム売上高 : 6.0億円
マルコシ(広島市) ◎リフォーム売上高 : 3.4億円
タナカ住建(広島市) ◎リフォーム売上高 : 3.1億円
【工務店】
トータテリフォームセンター(広島市)
県内の有力ビルダー、トータテホールディングスのリフォーム会社。3店舗を展開する。2015年11月に開設した白島ショールームは、市内中心部に位置していることからマンションリフォームの需要の掘り起こしに成功している。
グループに不動産部門もあることから、連携によりワンストップサービスも推進している。
◎リフォーム売上高 : 12.0億円
さくら建設(福山市) ◎リフォーム売上高 : 5.0億円
Sunsテック(広島市) ◎リフォーム売上高 : 3.3億円
オールハウス(安芸郡) ◎リフォーム売上高 : 2.5億円
大之木ダイモ(呉市) ◎リフォーム売上高 : 1.8億円
加度商(尾道市) ◎リフォーム売上高 : 1.0億円
佐ー木順建設(広島市) ◎リフォーム売上高 : 1.0億円
●広島県リフォーム市場規模の推移
●広島県の人口・住宅数
人口 ... 283万人
住宅総数 ... 139万3500戸
世帯数 ... 117万1800戸
●築20年以上の住宅数(1995年以前)
●広島県住設建材流通業者ランキング
ビルダーの改修部門が存在感
広島県では地場ビルダーのリフォーム部門が存在感を示している。トータテリフォームセンター(広島市)は有力ビルダー、トータテホールディングスのリフォーム会社だ。県内に3店舗を展開している。従来は戸建て改修が中心だったが、15年11月、市内中心部に開設した店舗は、マンションリフォームの需要掘り起こしに成功している。
また、住宅工房創(東広島市)は、地場ビルダー、創建ホームグループのリフォーム会社。屋号は「リフォームウィズ」。5拠点を展開する。注文住宅部門で培ったグループのノウハウを生かして大型リフォームに注力している。
《岡山県》
【リフォーム】
安藤嘉助商店(倉敷市)
県内3拠点を展開するリフォーム専業店。年間工事件数は約3000件で大半が小工事だ。50万円以下の工事が8割を超える。これは、小工事をメニュー化し、価格を分かりやすくしていることから、OB新規問わず安心して相談できるようにする狙いがある。 これにより年間で800件程度の新規契約名簿を作ることに成功。リピートを促している。
◎リフォーム売上高 : 10.9億円
ベストホーム(岡山市)
内外装だけでなく、外構工事にも注力している。さらに、不動産部門も持ち各専門サイトを充実させている。
◎リフォーム売上高 : 6.1億円
タカラ産業(津山市)
地元の飲食店などと連携して開催するイベント「マルシェ」に特徴。毎回200組超の集客を得ている。
◎リフォーム売上高 : 3.7億円
三協住宅サービス(倉敷市) ◎リフォーム売上高 : 5.5億円
N.T.P(東倉敷市) ◎リフォーム売上高 : 5.5億円
【外装】
小山塗装(倉敷市)
工場や倉庫、大型建築物などの外装工事が中心事業。戸建て住宅向けには、「リフォームサポート塗夢」の屋号でサービスを展開する。
◎リフォーム売上高 : 6.8億円
●岡山県リフォーム市場規模の推移
●岡山県の人口・住宅数
人口 ... 192万人
住宅総数 ... 88万5300戸
世帯数 ... 74万4000戸
●築20年以上の住宅数(1995年以前)
●岡山県住設建材流通業者ランキング
不動産事業からリフォーム受注狙う
両県ともに、リフォーム専業店としてスタートしたのちに不動産部門を持つ企業が増えている。各社の狙いは中古物件購入からのリフォーム需要の掘り起こしにある。
コープハウジングひろしま(広島市)は、仲介とリフォームのワンストップサービスを強化。安芸郡に開設しているショール―ムでは、2000件超の不動産物件の情報を提供するとともにスタッフがリフォームと合わせて提案する。
地域密着を掲げる企業も不動産サービスを活発化している。マルコシ(広島市)は近隣の年配OB客から住宅の売却相談が増加してきたことを受けて、不動産事業を開始。相続人のいない物件の仲介を手掛けている。
この記事の関連キーワード : DIY OB コープハウジングひろしま ショール―ム トータテリフォームセンター マエダハウジング マルコシ リフォーム 中古 中古 中古住宅 住宅工房創 地域密着 安藤嘉助商店 需要

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
WEB限定記事(2025/06/23更新)
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)1面
-
1653号(2025/06/16発行)10面