~米国リフォーム市場リポート Vol.3~
2017年キッチンデザイントレンド発表
全米キッチン・バス協会(以下NKBA)が発表した2017年のキッチントレンドを紹介する。
1) コンテンポラリースタイル
クリーンなスッキリした線とシンプルなドアスタイルのコンテンポラリースタイルが人気第2位に。トップはトランジショナルスタイル。その他ではインダストリアルスタイルと1950年代をイメージしたミッドセンチュリースタイルも人気が伸びている
NKBA Member Nar Bustamante, NAR Fine Carpentry,Inc., Carmichael , CA
Photo : Fred Donham
2) キャビネットはグレーとホワイト
キャビネットカラーはグレーとホワイトが主流で衰え知らず。特にグレーの人気は高い。青系の塗装、艶のある仕上げも人気を伸ばしている
NKBA Member Cheryl Kees Clendenon , In Detail Interiors , Pensacola , FL
Photo : Greg Riegler
機能とデザイン面で変化大きく
キッチンのデザイントレンドはNKBAが会員を対象に独自調査を行い、年に1回発表されている。総回答者数は562人で、そのうちの3分の2をキッチン・バスデザイナーとキッチン販売業者が占める。活動するエリアはアメリカ全土にわたり、一部カナダで活動するプロも含んでいる。
キッチンデザイントレンドとしての傾向は、デザイン面ではヨーロッパの影響がより大きくなっている点。アメリカのキッチンとしてイメージされやすいトラディショナルタイプをモダンでスッキリしたコンテンポラリースタイルが人気で凌駕(りょうが)し、大きく変化しつつある。一番人気は昨年に引き続きトランジショナル(過渡期)スタイルで、コンテンポラリーとデザインの人気をリードしている。
注目されるのは、2つ以上の要素を組み合わせたデザインの増加。金属を天板や面材などにアクセントとして採用する提案が増加している。色も2つ以上の組み合わせでの提案が増えているという。金属キャビネットの採用も若手の男性デザイナーを中心に伸びている。
3) 2つの要素の組み合わせ
2色、もしくは2つの素材、2つのテクスチャーが1つのキッチンに混在するスタイルの採用が増加NKBA Member Leslie Lamarre, CKD, CID,TRG Architecture + Interior Design, San Mateo , CA.
Co-Designer : J. Michael McGinn
Photo : Bernard Andre
4) 金属キャビネット
キャビネットの材料として主流は無垢の木製のものだが、金属製も増えている。若手の男性デザイナーに特に好まれてスペックインされるケースが増えているというNKBA Member Sandra Gjesdahl , Bristol Design and Construction , Seattle , WA. Co-Designer : Scott Gjesdahl
Photo : Cory Holland
5) 廻り縁は敬遠傾向に
家具調のキャビネット、キャスター付きのロールアウト、引き出し、LED照明などがキャビネットに組み込まれている。重たく見える廻り縁(キャビネットモールディング)は敬遠されてきている感が強い
6) クォーツストーン人気
天板の素材は第1位のクォーツストーンの人気がさらに伸びている
7) 内装用開き戸
キッチンに施工する内装用の開き戸(バーンドア)や袋戸(ポケットドア)がトレンドになりつつある。バーンとは英語で納屋や倉庫を指す
天板の面材ではクォーツストーンが不動の人気を獲得している。これまで人気だった天然の御影石は相対的に人気を下げているかたちだ。日本でも高級機種にはオプションで採用されているケースが増えており、人気を伸ばしそうだ。

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