・日本の家づくりについて、9の久田CEOと夏水組の坂田社長に話を聞いた
・久田氏は、自分らしい家を作れるシステムが必要だと指摘
・坂田氏によると、服や料理のように大事にする意識を持つことが需要だという
多くの時間を過ごし、最もくつろげる場所であるにもかかわらず、家への愛着や関心が薄い人が多い日本。人々が家にかける愛情が増せば、リフォーム市場はもっと活性化するのではないだろうか。日本の家づくりを変えようとリノベーションやインテリア業界に革命を起こしている9(ナイン、大阪府大阪市)の久田一男CEOと夏水組(東京都杉並区)の坂田夏水社長に「日本の家づくりのここがおかしい」をテーマに語ってもらった。
【聞き手/編集部 長田】
日本人は美しい宝石を壊している 9(ナイン) 久田一男CEO
一番は短命であるということが問題です。自分の家を好きじゃないから壊している。
なぜ好きじゃないかと言うと、日本の住宅はファッションでいったらビニールでできた革ジャンみたいなんです。レンガ模様の外壁材や塗り壁調のクロス...本質をごまかして上辺だけを整えている。ビニールでできた革ジャンをずっと愛せるのかと言ったらそうではなくて、破れたら新しく買いますよね。
昔の日本の家は紙・土・木でできていました。使えば使うほど味が出てきて、新品では出せない良さがあります。 海外のとある方が、そういう家はいつまでも輝きを失わず宝石のように美しい。日本人は美しい宝石をどんどん壊して、砂利のような住宅をつくっていると言っていました。
古民家が失われてしまっている今、古民家に匹敵するような現代の新しい日本型住宅をつくらないといけない。そして、それはその土地の気候や風土、生活スタイルにあっているべきです。
日本文化の良さは海外の人のほうが分かっていて、僕たち自身がその良さを分からずに、海外の劣化コピー版の家をつくり続けています。

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