◆アバンティア/プラスワン
事業承継に悩むリフォーム会社
シナジー求める大手企業
M&Aによるリフォーム会社の買収に注目が集まっている。本紙は昨年10月28日発行号にて、アバンティア(愛知県名古屋市、旧社名サンヨーハウジング名古屋)がプラスワン(三重県津市)を買収した記事を掲載。その後プラスワン神田孝之社長に「詳しく教えてほしい」とリフォーム会社経営者から相談が多く寄せられたほどだ。そこで今回リフォーム会社の買収について売り手と買い手の両方の狙いを取材した。
アバンティア沢田康成社長(左)とプラスワン神田孝之社長
グループ全体のリフォームの指南役に
プラスワンは三重県内3拠点でリフォームで7億9000万円、新築、不動産事業を含めて年商10億円の企業だ。昨年10月にビルダーで年商が384億6200万円のアバンティアの子会社となった。なぜプラスワンはアバンティアに売却を決めたのか。神田社長は次のように話す。
「理由は2つあります。1つは成長スピードをもっと加速させたかったことです。以前から思い描いていたイメージ通りに成長できず、資金を含めて独立のままでは難しいと思っていました。ここに大手の資金力があればできるのではないかと考えていたのです。2つ目が事業の承継です。今59才なのですが、60才を前に後継者について考えました。私の子どもが継ぐわけではないので、必然的に血縁ではない人間が後継になるわけですが、株式の譲渡などさまざまなハードルがありました」
同社には事業後継について、経営者の資質を求める以前に乗り越えるべき金銭的な課題が多々あったのだ。さらには、銀行も神田社長個人の信用で融資している部分もあり、社長が変わったとして従来と同様に融資してくれるかについては不安はあった。
「社員のことを第一に考えていました。経営で不安にさせるわけにはいかないんです」( 神田社長)
プラスワンがM&Aを考え始めた時期は1年半ほど前。売却について深刻に考えていたわけではなく、良い条件があれば売ってもいい、という程度だった。
M&A仲介会社を介して実際にアバンティア沢田康成社長と対面したのは6月の上旬。そこでお互いの会社に対する考え方や希望を話し合った結果、お互いに好印象を持ったことから、子会社として傘下に入ることになった。
シナジーが大きかった
一方、プラスワンを購入したアバンティアは何を求めていたいのだろうか。沢田社長は話す。
「リフォーム会社のノウハウが欲しかったからです。3年前から社内でリフォームチームを作り、またパック商品を作って、新築OBの皆様を訪問してリフォーム営業を開始したのですが、少し工事が大きくなると対応しきれず、1億8000万円程度の売り上げにとどまっていました」
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