【実態調査】ユニットバスリフォームの工期は何日？多能工活躍、2日で完工も​

リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「ユニットバスの施工管理」。各社どんな工夫をしているのか、6社に調査した。

ソーラー工業
多能工が管理も施工も、2日で交換・品質はメーカーと写真で確認

年商9億1000万円のソーラー工業（愛知県豊橋市）は、ユニットバス施工の下請け工事で、年間4億5000万円売り上げている。バス設置工事件数は一年間に1500件から2000件。

ユニットバスの交換なら2日で完了

施工管理は同社の多能工職人自身が行う。各工程の写真を撮影して同社の事務員に送付。その後担当者がまとめてクライアントであるメーカーに送付し、適宜2重にチェックを受けられるような管理体制を敷いている。メーカー担当者は送付されてきた写真を遅くてもその日の夜までに確認するようにしている。問題があった時には、翌日に対応をする。

特に電気、ガス、水道の移管工事のセクションは重要なため、それぞれ平均10枚ずつ撮影するようにしていると馬飼野守社長。その他の撮影ポイントは、床との接地部分に接着剤が用いられているか、排水管との接地部分にはボンドがきちんとつけられているか、ユニットバスはきちんとゆがむことなく設置されているかなど。撮影は主に見習い職人が担当し、作業の重要な箇所を理解させることのサポートにもなっている。図面の共有は基本的にメールで行う。

同社の多能工は施工管理の技術に加え、給水装置工事主任技術者などの、電気、ガス、水道の移管工事を行うための資格を持った職人。ユニットバスの交換工事ならば2日で完了できる。在来工法からユニットバスへの交換工事ならば3日で終わらせる。

1日目には、既存のバス設備の解体と養生、電気、ガス、水道の移管工事を行い、新規のユニットバスの組み立て工事を半分ほどまで終わらせる。2日目には、組み立ての仕上げを行い、浴室の入り口の設置、片付け、掃除までを行う。

施工は多能工1人と見習い職人1人が担当。2人の職人ですべての工程を完結させることができる。一般的なバス施工では、解体と養生、搬入の工程を終えたあとに、電気やガス、水道の移管工事を手掛ける業者を手配するのだが、業者ごとのスケジュールが合わずに、作業が翌日に行われることも少なくない。同社が手配する多能工は移管工事に必要な資格を持っているので、自分ですべての作業を行うことができるため、工程間のロスタイムをなくすことができるということだ。

「朝の9時から17時まで作業を行うことができます。それぞれ個々の作業にかかる時間は一般的なリフォーム会社の施工よりも長いかもしれませんが、トータルで考えると平均して1日ほどの工期短縮に成功しているのではないでしょうか」（馬飼野社長）

主に、TOTO、LIXIL、トクラス、タカラスタンダードなどのユニットバスを取り扱っている。新商品が発売されたときには、職人に必ず各メーカーの説明会に参加し、随時商品知識の更新を行うように求めている。

バス施工を依頼する多能工は、かつては同社で自社職人として技術を習得し、独立した外部提携の専属職人に限っており、現在約30組ある。自社職人に対しては、それぞれの移管工事に必要な資格の取得状況に応じて工事単価をグレード分けすることで、資格勉強のモチベーション向上を図っている。また、外部向けには、多能工のメリットを説明するための「水廻りのリフォーム学校」という名前のセミナーを開催している。