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【実態調査】家事の悩み相談や塗装現場ツアー、リフォーム会社の最新集客事例6選

【実態調査】家事の悩み相談や塗装現場ツアー、リフォーム会社の最新集客事例6選

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リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「集客」の3回目。各社どのように集客を工夫しているのか、6社に調査した。

《質問項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)販促としてやっていること
(4)販促の中で反響がいいものBEST3
(5)反響がいい販促の工夫点
(6)月間のおおよその販促費
(7)年間のおおよその販促費
(8)月間のおおよその問い合わせ数(見積もりや現場調査依頼数)
(9)年間のおおよその問い合わせ数(見積もりや現場調査依頼数)
(10)1件問い合わせを獲得するのにいくらのコストがかかっているか(年間販促費÷年間問い合わせ件数)
(11)リフォーム売上に対する販促費率(年間販促費÷リフォーム売り上げ高×100)

イエノコト
片づけ講座で引き合い数年200件、顧客7割が新規・家事セラピストが提案力発揮

創業10年目を迎えたイエノコト(福岡県太宰府市)は、生活に根差した地域密着の販促活動を行ってきた。同じ大宰府にある工務店であるナガタ建設のリフォーム部門として立ち上がった同社。当時は引き合いのうち7割以上がOBからの受注で、新規顧客は3割未満。これをいかに増やすかに課題を抱えていた。

そのために始めたのが、講座やイベントの開催だ。「家事セラピスト」の資格を持つ社員が講師となり、「片づけ」や「物の捨て方」、「終活」などに関する講座を開催する。これを毎週、自社のモデルハウスで行ってきた。

モデルハウスに外部の講師を招き、生け花や絵画教室、お茶会などを開催することもある。有料で参加費1000~2000円ほどだ。

イエノコト モデルハウスを利用して、片づけ講座を開催モデルハウスを利用して、片づけ講座を開催。子どもたちも参加

直接的には収益にならないが、徐々に成果として現れ始めた。週に数件だった引き合いの数は、現在、ほぼ毎日あり、年間約200件になった。うち新規が7割を占め、OB客は3割とその割合が逆転。成約率は7割となっている。

同社の特徴は、「家事セラピスト」の資格を持つ女性社員が4人いること。片づけや引っ越し、子どもの進学など、さまざまな生活の困り事を、どのように解決するかを提案できる資格だ。「営業電話をどんどんかけるような、積極的な販促活動を行うのは得意ではありません」と、淀川洋子社長は打ち明ける。資格を生かした、独自の集客方法を考えることが求められた。そのためリフォーム店ではなく、「生活のなんでも相談所」と、謳っている。

「イベントのみでは収益になりません。参加者にはアンケートを書いてもらい、代わりに卵を1パック配ったこともあります。アンケートをいただいた方に、手紙を書いたり、年に一度くらい、お困りのことはないかと連絡しました。こうして、少しずつお客様との接点をつくりました」(淀川社長)

もうひとつ、同社が販促活動のひとつとして取り入れているのが「片づけサービス」だ。社員が実際に顧客宅を訪れ、片づけや掃除のアドバイスを行うというもの。アドバイスのみでは収益化することはできない。しかし、「女性目線でのさまざまな提案により、リフォームの受注につながることもあります」と、淀川社長はその効果を口にする。

例えば、マンションに住んでいて、物の置き場に困っている顧客がいた。顧客は実際に片づけをするうちに、間取りそのものを見直す必要があることに気が付いた。マンション購入時から生活環境が大きく変わっていて、現状のままでは不便になっていたのだ。社員は顧客と一緒に、顧客が日常的にどのように家の中を利用するかを確認しながら、間取りの変更を提案。結果的に1000万円以上のリフォームの受注となった。

OB客とのつながりを維持するために同社が取り組んでいるのは、ニュースレター「イエノコト通信」だ。毎月発刊していて、4000通ほど送っている。今年4月、100号に到達した。その特徴は、「営業色を出さないこと」。例えば、健康と美容についての豆知識、地域の飲食店や書店などの取材記事など掲載されている。

イエノコト 生活のための雑学を記事にするニュースレターを月1回配布生活のための雑学を記事にするニュースレターを月1回配布

「どんな仕事も断らない、というスタンスで、やっと10期目を迎えました。これまでは生き残ることだけを考えてきました。今がリスタートの時期です。片づけも含めて、さまざまな事業を収益化する仕組みを作り、もっと成長していきたい」と、淀川社長は前を見据える。

(1)1億円
(2)80万円
(3)講座、イベント開催、片づけサービス、ニュースレター、ブログ
(4)講座・イベント開催、片づけサービス、ニュースレター
(5)営業色を出さない、顧客の悩みに寄り添う
(6)20万円
(7)500万円(コンサル費用を含む)
(8)20件前後
(9)約200件
(10)2万5000円
(11)約5%

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