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【実態調査】新卒が来ない!中小工務店が一挙4人を採用できた戦略とは?

【実態調査】新卒が来ない!中小工務店が一挙4人を採用できた戦略とは?

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リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「採用」の3回目。各社どのように採用を進めているのか、6社に調査した。

《質問項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)説明会における工夫
(4)面接時間
(5)面接官の人数
(6)面接で重視すること
(7)面接で質問すること
(8)内定者の人数

関西工務店
新卒ゼロから一挙4人採用に成功、先輩社員の「内面」紹介に注力

リフォーム売上4億円の関西工務店(奈良県大和高田市)は5年前から新卒採用を本格化した。今年4月には、事務と設計を1人ずつ、大工の見習いを2人、新卒採用に成功。5年前は年間で10人と面接を行い内定を5人に出しても、採用に至らなかった。だが2020年度は会社説明会には50人近くの学生が参加し、約20人と面接。10人に内定を出した。

5年で応募者と内定者を増やした秘訣は、2つある。1つ目は、多様な媒体で採用情報を紹介しているためだ。自社ホームページでは、採用ページと社員紹介ページを設けている。会社の概要や福利厚生の紹介だけではなく、社員の詳しいプロフィール掲載に注力。出身地や特技、休日の過ごし方や座右の銘など内面がわかる情報を公開している。ある社員は「好きな芸能人はBUMP OF CHICKEN」「趣味はさまざまなインテリア空間を観ること」と紹介した。「社員全員に人柄がわかる10項目のアンケートを行い、4項目以上答えてもらいました。どんな社員と一緒に働くか具体的にイメージができることで、応募しやすくなるのでは」と吉田泰造社長は効果を話す。

関西工務店 ホームページの採用ページでは先輩のメッセージを掲載ホームページの採用ページでは先輩のメッセージを掲載

またリクナビと建設業界の特化サイト「総合資格navi」の冊子にも求人情報を掲載し、高校と専門学校と大学各2校ずつ直接求人を出している。会社説明会の参加者の6割がリクナビ経由、4割が総合資格navi経由だ。

2つ目は、働き方改革の強化だ。従業員の健康を考えている姿勢や、快適に働けるよう環境を整備していることを打ち出し、学生の安心に繋げている。

関西工務店 学生に安心して入社してもらえるよう、福利厚生を整備学生に安心して入社してもらえるよう、福利厚生を整備

新卒採用を始めるにあたり、有給休暇を年間で最大20日とれるようにし、週休2日制を徹底した。会社説明会では「有給休暇はとりやすいか」「残業時間は月に何時間か」など待遇面について学生から聞かれることが多く、的確に答えられるように。また冷蔵庫を設置する「オフィスおかん」も導入。ハンバーグといった惣菜を社内ですぐ購入できる。

関西工務店 惣菜が購入できる「オフィスおかん」の冷蔵庫惣菜が購入できる「オフィスおかん」の冷蔵庫

新卒採用の場合、希望者全員と面接を行う。面接で重視するのは、ユニークな話題をぶつけ、学生の反応を見ることだ。以前には「両親にどのように感謝の思いを伝えたことがあるか?」「自分を動物に例えると何か?」などを質問。「事前に想定していないことを聞かれても、堂々とした様子で論理的に答えてくれるかをチェックしています」と吉田社長。

また「なぜ工務店で働きたいか」も聞く。設計事務所や大手ハウスメーカーとの違いを理解しているか、工務店の志望度を確認する。

今後は面接担当者の変更を検討中だ。現在は学生1人に対し、主に人事部長と取締役、希望する職種の事業部長と社長が応対している。新卒採用で入った社員も増えており、今後は学生と年齢が近い若手社員にも面接に参加してもらう予定。

(1)リフォーム4億円
(2)約110万円
(3)会社の情報公開に注力(学生とのコミュニケーションは面接で行う)
(4)約1時間
(5)3~4人
(6)学生が想定しないような質問をし、反応や態度を見る
(7)「なぜ工務店か」聞く
(8)2021年3月卒は10人に内定を出し、4人入社

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