本紙は2024年を迎えるにあたり、東西の有力リフォーム会社社長による座談会を開催した。迎えたのはアートリフォーム(大阪府吹田市)の大本哲也社長、オノヤ(福島県須賀川市)の小野浩喜社長、マエダハウジング(広島県広島市)の前田政登己社長の3人だ。
2024年、リフォーム会社に求められることとして3人の社長が訴えたのは、例えば性能向上改修のような消費者の生活をより豊かにする提案だ。その先に市場拡大があると睨んでいる。
- 「座談会テーマ」
- 2024年、リフォーム市場は拡大するか
- 2024年、顧客ニーズが伸びそうな分野は
- 2024年、各社の取り組み
アートリフォーム(大阪府吹田市) | 大本哲也社長 |
---|---|
オノヤ(福島県須賀川市) | 小野浩喜社長 |
マエダハウジング(広島県広島市) | 前田政登己社長 |
司会 リフォーム産業新聞 編集部デスク 芦原拓 |
市場拡大はプレーヤー次第、性能向上リノベに商機
電気代高騰で
省エネ需要増
「消費者ニーズ、掘り起こしたい」
アートリフォーム
(大阪府吹田市)
大本哲也社長
1980年、兵庫県神戸市出身。1952年創業、70周年を迎えた総合リフォーム会社社長。2008年に三代目社長に就任した。もともと法人向け事業を展開していたが、16年前からエンドユーザー向けにも集客を開始。関西を中心に関東、東海、中四国、九州の25拠点で年間約6000件の提案・設計・施工を手掛ける。前期のリフォーム売上高は81億2000万円。「業界の先頭集団」をビジョンに掲げ、2024年7月期は同100億円突破を計画している。さかえ畳店(兵庫県伊丹市)、遊(兵庫県神戸市)など複数のリフォーム会社を傘下に持つ。
「新築至上主義、変えていく」
オノヤ
(福島県須賀川市)
小野浩喜社長
1964年、福島県出身。慶応大学商学部卒業後、1994年にオノヤ入社。下請けとしての建材業から脱却を目指し、1998年に元請けのリフォーム事業部を立ち上げた。2011年に4代目社長に就任。前期リフォーム売上高は49億8000万円。本拠地の福島県に加え、宮城県、栃木県、東京都に14店舗を展開する。住宅所有者向けの増改築リフォームのブランド「ONOYA」、不動産事業を含む「365リノベ」、水回り専門店の「ラクイエ」の3ブランドを手掛ける。「デザインリフォームの視野を広げて住宅を楽しくする」をビジョンに掲げており、2022年に宮城県仙台市で家具ショップ「MONO+」を出店した。
「社会課題と自社の本業を結ぶ」
マエダハウジング
(広島県広島市)
前田政登己社長
1965年兵庫県姫路市生まれ。岡山県津山市出身。1993年マエダハウジングを創業。2023年に30周年を迎えた。「地域で輝く100 年企業になる」をビジョンに掲げ、広島市を中心に県内6店舗を展開。前期リフォーム売上高23億円。グループで多角経営を展開しており、他に5つの事業会社がある。リフォームにつながる不動産取引を担当する「マエダハウジング不動産」、施工会社「マエダハウジングプラス」、出版・メディア事業の「ザメディアジョン」、人財コンサル事業の「ザメディアジョンHR」などを経営する。従業員数は78人(グループ152人)。グループ連結年商は38億1000万円。
── 2024年のリフォーム市場は、伸びていきますか。2023年を振り返ると、コロナ禍が終わり、巣ごもり需要がなくなりました。
大本 市場の拡大は自然に、というよりは我々プレーヤー次第だと思っています。リフォームの需要の一番のきっかけは、劣化です。それはそれで大事ですが、もっと、良い暮らしをしたい、生活を豊かにしたい、という需要は掘り起こせていない。消費者は、壊れたから、という理由ではなく、もっと良い車が欲しいから、という理由で車を買い替えます。このニーズを掘り起こせるかどうかで変わる。
小野 大本社長と全く同じ意見です。予測というよりは、僕たちがどうしていくか次第で、市場が変わっていくと思っています。

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