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断熱と健康は相関性「あり」、教授や医師ら窓リノベ補助金セミナーで訴え

断熱と健康は相関性「あり」、教授や医師ら窓リノベ補助金セミナーで訴え

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先進的窓リノベ2024事業活用セミナー

「窓断熱リフォームは、経済面、そして健康面においても大きな効果をもたらす」。6月27日に開催された、環境省主催による第4回「先進的窓リノベ2024事業活用セミナー」で大学教授らがそう結論づけた。講演では各方面の有識者が窓断熱のメリットを独自の視点で解説した。

松尾設計室 熱中症救急搬送の4割は住宅内

有識者は3名が登壇。まずは松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也氏だ。断熱や省エネの重要性を日頃から講演などで積極的に発信する一級建築士で、松尾氏は窓の熱損失を表すU値について説明。「欧州や中国、韓国でもその最低基準値を設けているのに、日本ではまだその段階に至っていない。それが各家庭において光熱費の大きな損失につながっている」と指摘した。

有識者の2人目はイシハラクリニック(東京都江東区)副院長の石原新菜氏。医師独自の視点で、断熱リフォームと健康・美容との関連性を解説した。「現代人の低体温化は年々進んでおり、平熱35℃台の人も増加。冷えは万病の元であり基礎代謝や免疫力低下を防ぐためにも窓断熱などのリフォームは有効な手段」と主張した。

そして3人目の有識者、慶應義塾大学名誉教授の伊香賀俊治氏が住宅断熱と健康との関連性についてさらに説明。「記録的な猛暑だった2018年、熱中症による救急搬送患者の約4割が住宅で発症したというデータからも、適切な室温維持が大切」だと論じた。さらには適切な室温維持が要介護認定の平均年齢を延ばしているといったデータも紹介し「断熱改修は将来的な介護負担の対策としても注目すべき」と言及した。

ほか、先進的窓リノベ事業を活用した窓断熱リフォーム事例を、消費者の実感とともに紹介。さらにはセミナー参加者から、Low-Eガラス(表面に特殊な金属膜をコーティングしたガラス)の選び方に関する質問が多く寄せられたことを紹介し、松尾氏が「東西北向きの窓には遮熱タイプ、南向きには断熱タイプ、加えて庇やシェードの活用を」と回答。リフォームの具体的検討にもつながる構成で、先進的窓リノベ2024事業の積極的な活用を呼びかけた。

松尾設計室 松尾和也社長松尾設計室 松尾和也社長

イシハラクリニック 副院長 石原新菜氏イシハラクリニック 副院長 石原新菜氏

慶應義塾大学 名誉教授 伊香賀俊治氏慶應義塾大学 名誉教授 伊香賀俊治氏

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