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住宅ストック市場の新シナリオ13
keyword 03◆ ホームステージング
中古住宅の販売を促すためにホームステージングという手法が広まっている。これは、販売前の物件に家具や小物類を設置することで、内覧時にユーザーが受ける印象を良くするというもの。「中古住宅は汚い」というイメージを払拭することで、早く、そして、高く物件を販売する手助けをする。
30戸に実施済
大京リフォーム・デザイン(東京都渋谷区)では、リノベーションした中古マンションに対して、8月から試験的にホームステージングを実施。既に累計30戸ほどの実績を持つ。
今回、同社のホームステージャーがホームステージングを行う現場を取材した。対象となった物件は、築32年、3LDK、広さ86.68平米のマンション。
リノベーションは同社が実施済み。設備や内装は一新されてはいるものの、がらんとした空間が広がっているだけでは物件の魅力が伝わりにくい。そのため、リビング&ダイニングにホームステージングを施すことで、家族が楽しく過ごせるような明るい雰囲気を演出した。
「販売物件をメイクアップすることで物件の魅力を引き出し、スピーディーな販売を助けます。実際、ホームステージングを施した物件は平均2週間ほどで売れています。その週の土日に契約が決まることも多いです」(眞野美智子マネージャー)
演出の手順は?
まず運び込まれたのはダイニングテーブル。次いで、大小のソファやラグ、センターテーブル、4脚のイスなどが次々と運び込まれた。家具を一通り配置し終わったが、眞野マネージャーは納得がいかない様子。おもむろにリビングエリアに向かった同氏は、ソファの位置を変更。すると、奥行きが感じられ、部屋が広くみえるようになった。
家具はいずれも、家具メーカーのイヨベ工芸社とコラボして作られたオリジナル商品。様々な物件に合うように落ち着いた、汎用性の高いデザインだが、長く使える素材、つくりにこだわった。例えば、テーブルにはオーク材の正目のつき板を採用。
その後、クッションや花瓶と造花、ワイン、新聞といった小物を配置。また、リビングの奥に配した観葉植物には、映えさせるためのライトを設置した。小物や観葉植物を置くことで、より具体的な生活シーンをイメージしやすくなった。
「ホームステージングのポイントは、部屋を明るく見せること、そして、広く感じさせることです」と、同社の首都圏事業部インテリアデザイン室インテリアデザイン課の眞野マネージャーは話す。
開始から1時間半ほどで今回のホームステージングは終了した。「通常の実施にかかる時間は、1時間~2時間ほどです」(眞野マネージャー)
家具付きで販売
また、ホームステージングを施したままの状態でユーザーに引き渡すという点も特徴。ユーザーは、プロがコーディネートした、内覧時の状態のままの住まいを手に入れることができる。ホームステージングの費用を住宅ローンに組み込める点も、住宅の購入で現金による出費がかさみがちなユーザーにとってプラスになる。
同社では、既に40人を超えるスタッフが日本ホームステージング協会の資格「ホームステージャー」を取得済み。不動産仲介を行うグループ会社の大京穴吹不動産でも、営業担当者が続々と資格を取得している。
ホームステージングは、アメリカの不動産業界では一般的な手法。日本の不動産業界でも、多くの会社が取り組み始めており、業界の常識になる日もそう遠くはなさそうだ。
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